狐にばかされる。また、意外ななりゆきに訳がわからなくなり、茫然とする。
【大辞林|三省堂】
ちかごろは、狐にばかされたという話を聞かなくなりましたが、昔はよく耳にしたものです。
現代の狐は人をばかさなくなったのか?それとも、狐が人をばかすという話は迷信なのか?
とんでもない、迷信ではありません。狐は人をばかすのです、今でも。
実際に被害にあった人の話をしましょう。
【被害者1(平ねぎの父)】
父が青年のころの話。
山仕事を終え、峠道の脇の石に腰をおろして休んでいたときのこと、
峠を下ってくる二人連れの女性の姿がぼんやり見える。
こんなに遅い時間(夜中の8時前後)に誰だろう?と思って目を凝らすと、
白い手ぬぐいを姉さんかぶりに被っているのが何となくわかる。
何やらワヤワヤ言っているが、はっきりとは聞き取れない。
「これは狐に違いない」と瞬時に悟った父は、「おのれ狐め」と手にしていた鉈を振り上げた。
すると、二人連れは、煙が消えるように消えていなくなった。
【被害者2(平ねぎ本人)】
忘年会二次会でのできごと。危うく凍死するところだった。
http://blog.goo.ne.jp/tnnt_1571/e/de1541a6323cf452123788a073ee1084 (人生の落し穴)
【被害者3(平ねぎの友人K)】
忘年会に参加したKは、広島市最大の歓楽街「流川」で楽しく呑んでいた。
飛切りの美女が彼の横に腰掛けた。
色白でやさしくて、彼はすっかり虜になった…。
そのあとのことは何も覚えていない。
気づいたときは、広島駅の裏にある二葉の里の山中にいた。
これも狐の仕業だろう。
【被害者4(平ねぎの友人S)】
同じく、忘年会でのこと。Sは呑める口ではない。
つまらなさそうに呑んでいると、美しい女性が隣に…。
舞上がったSは勧められるままに呑む。
そのあとのことは何も覚えていない。
翌日、自室のベッドで目覚める。
耳に違和感があったので、手をやると血がべっとり…。
近くの耳鼻科に行くと、大学病院の脳外科を紹介される。
大学病院での精密検査の結果、脳波に異常が見つかる。
以後、しばらく耳鳴りに悩まされる羽目に。
これも狐の仕業に違いない。
このように、昔も今も狐は人をばかすのです。
特に、忘年会シーズンに頻繁に出没するようです。
気をつけましょう。