追記 2025-09-02 20:27:34
供用開始から37年経っていますが、そろそろ危険水域に入っているんじゃないですかね。
三木さんは100年もつと言っていますが、わたしはそんなにもたないと思いますよ。根拠ないですけど。
記 2018-03-15 11:14:12
あの橋は危ないです。特に斜張橋(櫃石島橋と岩黒島橋)が危ないです。
斜張橋は形状は吊橋によく似ていますが、力学的には似て非なるものです。
吊橋は力学的にみてたいへん合理的な構造物です。主塔とメインケーブルが主役で主桁は脇役です。
たとえ主桁が損傷しても、メインケーブルがしっかりしていれば構造全体は大丈夫です。
耐風安定性の観点からみると、主桁の重量は正の復元力を生みます。つまり、重いほど風に対して安定なのです。
一方、斜張橋は、主桁が主役です。主桁の損傷はそのまま構造全体の破壊につながります。
また、主桁の重量は正の復元力を生みません。重ければ主桁の曲げモーメントが増えるだけです。
5年前(2013年)、二つの斜張橋で溶接欠陥部に金属疲労が見つかっています。
発生部位は鋼床版の下の縦桁で、鉄道荷重を受ける部材ではないので大丈夫と見ているようです。
しかし、鉄道荷重を受ける部材に今後金属疲労による亀裂が発生する可能性は否定できません。
目視点検で見つけられなかった微細な亀裂が隠れているかもしれません。
亀裂が見つかったとしても、その対応策は難しいです。
「今後の対応策は検討中」と書かれていますが、「手の施しようがない」が正直なところだとと思います。
(つづく)
ついでに言ってしまいますが、
長崎県女神大橋もよくないですね。
つぎの写真を見てください。
どことなくいやな感じでしょ。
この橋はバランスが悪いんです。
見た目の美しさばかりを追い求め、力学的合理性を犠牲にしちゃいけませんね。
(つづく)
中央径間に比べて側径間が短いでしょ。
だから側径間には大きな上揚力が作用します。
多々羅大橋も中央径間に比べて側径間が短いのですが、こちらはマスバランスで処理しています。
つまり、中央径間を軽い鋼桁にし、側径間は重いPC桁にしています。
しかし、女神大橋は中央径間も側径間も鋼桁です。
マスバランスで処理できません。
(つづく)
主桁のキャンバーは上向きにつけるでしょ。普通はね。
でも、女神の側径間は下向きについているのです。
すごい上揚力が作用するからです。
だから端支点には強烈なアップリフトが常に発生しています。
ペンデル支承が破断したらアウトです。海中に崩落します。
フェールセーフ構造にすべきなのですがそうなっていません。
兵庫県南部地震の際、建設間もない東神戸大橋も損傷しました。
ペンデル支承が壊れ危機一髪だったのです。
(つづく)
ペンデル支承が破損したら大崩壊です。
なにしろ、女神大橋は中央径間長480mですからね、強烈な上揚力が作用します。
ペンデル支承が壊れたときのためのフェールセーフ構造は皆無です。
なぜ、フェールセーフ構造がないのか?
壊れないと思っているからでしょうね。
でも、壊れるときは壊れるのです。
例えば、小松川橋梁です。
(つづく)