平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

塚田九段の悲惨な戦い―これはプロの将棋とは言えない―

2013-08-25 14:09:08 | 将棋


ひふみんファンの皆様、コンピュータ将棋ファンの皆様、こんにちは。
休日のひと時、いかがお過ごしでしょうか。
今日は残念な将棋を紹介しましょう。電王戦第四局Puellaα対塚田九段の一戦です。
局面はPuellaαが8六の銀を9五に上り、玉の逃げ道を作ったところ。
Puellaαの入玉は確実であり、駒の点数に大きな差があるため、塚田九段はここで投了、の筈でした。
ところがそうはならなかったのは、皆さんご存知のとおりです。
Puellaαには24点ルールが組み込まれていませんでした。
塚田九段は、Puellaαの欠陥が生み出すミスに期待して指し続け、引き分けに持ち込むことに成功しました。
8六の銀が9五に上った時点で、Puellaαの代わりに私が指しても私が勝っていたでしょう。
駒を取られないようにしながら、すべての駒を敵陣3段目まで運べばよいのですから。
渡辺竜王は、加藤浩次の本気対談!コージ魂!!に出演した際、「プロの世界では、1手の差は大差である」と誇らしげに語っていました。
渡辺説が正しいとすると、9五銀の局面では数十手の差があるのですから、将棋は既に終っていることになります。
投げっぷりの良さで知られる故芹沢九段はつぎのように述べています。
「私は相手のミスに期待して指し続けるのがたまらなく嫌なのです」
塚田九段に聞かせてやりたい言葉です。彼は相手のミスに期待して指し続けてもそれを恥と思わない棋士なのでしょう。
人もいろいろ、棋士もさまざまですね。