tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

不安定化する国際政治・経済情勢の行方は?

2018年03月20日 09時59分12秒 | 国際関係
不安定化する国際政治・経済情勢の行方は?
 gooからのメールで「1年前の記事」を見ましたら、このブログで、G20でトランプ政権の影響が出て、例年の常套句になっていた「 保護主義に対抗 」という言葉がなくなったことを書いていました。

 思い出して見れば、トランプ政権は、アメリカが万年赤字なのは、アメリカが悪いのではなく、世界中がアメリカに輸出して儲けているからで、アメリカは、ずっとそれを買ってやって来たからだと最初から主張している様です。

 そして、それから1年たって、トランプ政権は鉄鋼、アルミの輸入に大幅な関税をかけるという形で、アメリカ産業保護の具体的政策を打ち出すことになりました。
 G20で「保護主義に対抗」を削った具体的な結果が1年たって明確に出てきたという事なのでしょう。

 トランプさんはもともと不動産業の人ですから、製造業などの国際競争力といった問題にはあまり関心が無く、日本でアメ車が売れないのは、アメリカの車がカッコ悪く、ガソリンがぶ飲みで、とても日本人が買う気にはならないといったことにはご理解が無く、(関税はすでにゼロですから)さまざまな非関税障壁のせいだとお考えなのでしょう。

 ま、それでは、自動車は買わなくても、イージスアショアや戦闘機を沢山買えばいいという事のようでもありますが、これは、経済行為ではなく政治の問題ですから、矢張り経済問題を政治で解決しようというのは理不尽なのでしょう。

 日本がイージスアショアを買えば、ロシアが日ロ関係上懸念ありと言いますから、日本は板挟みですが、そのロシアは国後、択捉の北方領土に軍事施設を作るわけですから、大国はみんな自分勝手を平気で通そうとするのでしょうか。

 だからといって、それでは日本も軍事大国になりますかといえば、太平洋戦争までの日本の在り方を反省し、憲法第9条を掲げる日本が、急に軍事大国路線をとるなど国民は考えもしないでしょうし、安倍さんも、当面はそこまで考えてはいないでしょう。

 軍事は経済合理性とは全く関係ないところで動きますから、戦争になったらすべては非合理なことばかりになります。
 しかし政治は、平和を前提にする限り、やはり経済合理性の中で考えなければならない面が大きいはずですから、経済合理性に反するトランプさんの保護主義政策には限界があるでしょう。

 政治が経済から離れて、本気で戦争をやろうというのなら経済合理性などは消し飛びますが、今、世界の大国が本当に戦争をやろうとは恐らく考えないでしょうから、矢張り、最後には経済合理性が問題解決の方向を示してくれるのでしょう。

 そう考えたいし、多分そうなるのだろうと思えば、あまり感情的(勘定的)な対立がひどくならないうちに、問題をまともな方向へ引き戻すべきなのでしょう。
 今回のG20はそうした方向へ向けてのチャンスでもありますが、財務大臣は代理で済ます状態です。何とか、少しでも、日本として前向きの貢献をしていただきたいと願っています。

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