tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

今春闘、どんな賃上げをすればいいのか

2015年02月09日 14時22分53秒 | 労働
今春闘、どんな賃上げをすればいいのか
 今年は未だ国会への予算案の提出がないので、政府経済見通しの「閣議決定版」が発表されていません。ということで、「賃上げ、賃上げ」と笛を吹いている政府が、どの程度の一人当たり雇用者報酬の伸びを見ているかの数字はありません。

 昨年1月に発表された平成26年度の政府経済見通しの雇用者報酬は2.0パーセントの伸び、雇用者の伸びは0.5パーセントで一人当たり雇用者報酬の伸びは1.5パーセントというものでした。

 近似的に類推出来る毎月勤労統計の平成26年1~12月の現金給与総額は、事業所規模5人以上で0.9パーセント増、同30人以上で1.6パーセント増(規模間格差は大きいようですね)となっていて、一方、雇用者数の方は、労働力調査で1~12月の前年比較で37万人、0.7パーセント増となっています。 やはり1人当たりの賃金水準は1パーセント弱の上昇といった様子が見えてきます。

 今週中には、閣議決定の経済見通しが発表になり、昨年度の1人当たり雇用者報酬の実績見込み、来年度の見通しが発表されるでしょから、またその時点で確かめたいと思います。

 指摘されていますように、消費増税で2パーセント強の消費者物価上昇があります。当然実質賃金はマイナスです。しかしこれは、国民の実質購買力を増税分3パーセント減らして、国の財政再建の足しにしようということでやったものですから、実施した年にその分実質賃金にマイナスとなるのは既定のことです。消費者は甘受せよでしょう。

 来年度は消費増税の影響はほぼ消えますから、賃金と物価の関係は平常に戻ります。円安もこれ以上は余り進まないでしょうからその影響も価格未転嫁分だけになります。原油も急には上がらないでしょう。

 さて、環境条件がまともになった所で、2015春闘の賃上げは、何を基準に、どう考えて行けばいいのでしょうか。
 政府も賃上げをしてくださいと言うだけで、どのくらいとは言いません。連合は2パーセント以上といいますが、経団連は、出来るところは賃上げしましょう、賃上げの方法は多様です、ベースアップも選択のうち、と言っていますが、何を基準にどのくらいとは言っていません。

 そこで実際に賃金交渉をし、賃金決定をする企業としては、どう考えるかです。賃金支払能力という言葉があります。これはマクロの日本経済にも当てはまりますし、ミクロの個々の企業にも当てはまります。
 次回この辺りを考えてみましょう。


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