tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

エネルギー問題、日本のアキレス腱?

2015年06月01日 11時38分44秒 | 経済
エネルギー問題、日本のアキレス腱?
 国会では連日又ホルムズ海峡が話題になっていますが、エネルギー供給が日本経済のアキレス腱という考え方は、何か日本人に染みついているような気がします。

 かつては日本をエネルギー政策で締め上げるものだなどとして、「ABCD包囲陣」などという言葉を作り、その突破のためにと太平洋戦争に突入し、エネルギー問題よりずっと深刻な破局を経験しました。

 戦後の記憶で強烈なのは、二度の 石油ショックでしょう。1973年の第一次オイルショックでは原油価格が4倍に上がり、その6年後の第二次オイルショックでは、さらに3倍に上がりました。

 第一次オイルショックの時はトイレットペーパーや合成洗剤が店頭から消えるパニックが起き、消費者物価はピークでは26パーセントも上昇して、高度成長が一転ゼロ成長になり、国民生活は大混乱しました。
 しかし、第二次オイルショックの時は物価上昇も軽微で殆どショックもなく、逆に日本経済は「ジャパンアズナンバーワン」の時代に入りました。

 この結果の違いは単純に言えば、第一次オイルショックの時は国民も労使も政府も大慌てに慌ててしまったのに対し、第二次オイルショックの時は、冷静に合理的な対応が出来たことでしょう。

 湾岸戦争の時も、戦後機雷の掃海に協力しましたが、石油供給危機という感覚はほとんど残っていません。

 確かに統計的には原油の8割ほどは中東からですが、LNGは3分の2が中東以外ですし、ロシアが世界一の産油国になり、シェールオイルでアメリカが世界一の産油国になるという変化の中です。
 国産の再生可能エネルギーも、今後は、その気にさえなれば、急速に伸びるでしょう。

 日本は、世界の平和に貢献することを国是としていますが、そのためにも、エネルギー争奪戦に参加・協力しようとするのではなく、自然エネルギー開発、省エネ技術開発に総力を結集し、化石燃料依存の世界のエネルギー事情の齎す「エネルギーが紛争の源」という状況の改善の方向を、世界に先がけて徹底追求し、その可能性を示すべきでしょう。

 それが日本として、「歴史に学ぶ」という事にもなるのではないでしょうか。


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