tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本にとって円高阻止の方策とは

2012年11月09日 14時22分38秒 | 経済
日本にとって円高阻止の方策とは
 プラザ合意から27年たって、日本国内でも、「行き過ぎた円高の進展は日本経済にとっての大きなマイナスだ」ということが大多数の共通意見になってきました。ずいぶん時間がかかりましたが、結果的には良かったと思います。

 ただ、残念なことに、「円高阻止なんて無理ないんじゃないか」とか「良くないことじゃないのか」といった考えを持つ方は、まだかなりおられるようです。
 しかし、考えてみれば、円高で損する国があれば、得する国が当然あるわけで、推理小説でいえば、「この事件で得する人をまず疑え」というのが原則ですから、そう考えれば、円高誘導の構図というのが、自ずと解り、阻止が必要なことも当然解るということではないでしょうか。

 円高阻止にはいろいろな方法があります。すでに論じた超金融緩和は別にして、典型的な形を挙げれば、 
 最も物理的で、端的な方法というのは、アジア通貨危機の際にマレーシアのマハティール首相が採った政策、資本取引規制、固定相場制採用です。
 もう少しソフトな方策は、為替介入、円売り政策です。スイスの採ったユーロリンク等も無制限に介入するというのですから、この類型でしょう。最近では、巨大なファンドを作り、為替安定のために、ファンドが介入するといった方法も提言されています。
 そしてもう1つは、日本が経常黒字国でなくなる政策をとることです。 

 この中で最も文句を言われないのは、3番目でしょう。国際資本市場が独自の判断で、「円高にすると損する可能性が大きい」と判断することになるからです。

 方法が複数あるのであれば、状況に応じて、それらの政策を組み合わせて採ることも当然有効です。そしてその場合の錦の御旗というのは、「為替の安定こそが、国際金融秩序、国際政治の安定に寄与し、今日の世界の混乱の解決に役立つ」というものです。

 急激な場合には為替介入、極端な円高ならば資本取引規制、安定着実な方法は経常黒字の解消でしょうか。
 中でも最後の方法は、まさに王道をゆくもので、誰にも文句を言わせないだけでなく、日本としても、経常黒字分GDPが増えて、経済成長路線への復帰の見通しが立つという利点もあります。

 これらについては、すでに、「頭を使った経済政策」、「国民のやるケインズ政策」、「GDPを使い切れば」などのキーワードで書いてきています。
 ただ、その内需拡大の具体的な方法の選び方は結構難しいと思います。
 その辺りも多少考えてみたいと思います。


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