tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカは世界から愛される国になれるか

2023年04月10日 16時26分29秒 | 経済
ウクライナのゼレンスキー大統領は、世界の自由と民主主義を守るために我々は独裁国家ロシアと戦っている、負けるわけにはいかない、勝たなければならないのだ。と言っています。

これまさに真実でしょう。かつて、共産主義一党独裁のロシアに従属させられていたウクライナであれば、その言葉は重く響きます。
そして民主主義国は一様にウクライナを援助しようと本気で考えるのです。

21世紀の今、世界は民主主義と独裁主義という単純な色分けになりつつあるように見えます。
そして世界の多くの国は民主主義を是とし、覇権国アメリカとともに民主主義の世界を創ろうと考えているのでしょう。

アメリカは勿論ですがヨーロッパはEUにまとまり、アジアはアセアンを中心に民主主義を旗印に国造りに励んでいます。日本は民主主義と非戦を掲げています。

一方大国ロシアは、ゴルバチョフの民主化宣言で民主主義国になるかと思われましたが、プーチンの変身によって、典型的な独裁国に逆戻りしました。

共産党一党独裁の中国は、鄧小平の社会的市場経済の導入で、自由経済に舵を切るように見えましたが、政治は共産党一党独裁を続け、習近平の長期政権の中で、独裁色を強めているようです。

恐らく、中国の政治が独裁化する中で、市場経済の繁栄が続くとは思われませんが、当面大国中国の経済力は維持されるでしょう。

ロシアは暴力によって、世界経済社会に大きな被害を齎していますが、これはいずれ終わるものでしょう。当面この問題は世界の最重要課題ですが、長い目で見ると、これからも長く続く問題は、中国が、独裁国家として、いつまで世界の民主化に対抗を続けるかではないでしょうか。

最近の中ロの関係を見ても、プーチンの狂信的な独裁主義と、習近平のそれなりの常識(良識)を含んだ独裁的行動には、かなりの差があるわけで、ここで最も重要になって来るのは、現在の覇権国であるアメリカの態度でしょう。

「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ政権の時から米中関係はそれまでよりも対立的になって来ました。
対立の相手を作って、被害者意識で国民を纏めるのは、基本的には、独裁者の手法です。、トランプと習近平は関税合戦や制裁にしても独裁者同士のような関係が見られました。

結果、アメリカの輿論は分断され、最後には国会襲撃のような、独裁者にありがちなアジテーションと暴動に近い事も起きています。
世論分断の後遺症はそのごもバイデン政権を悩ましているようです。

アメリカ自体、寛容で、世界の事を考える余裕のあるアメリカから経済力の低下の中でニクソン・ンショック、変動相場制移行と質的に変化し、日本との関係でいえば、繊維交渉から、自動車交渉、半導体交渉、加えてプラザ合意での円高要請と、日本経済の成長抑制に熱心になり、同じことを中国に要請するなど、内向きに変わって来ています。

アメリカから言い出したTPPにおいても、結局は参加しなかったといったことも、アメリカの意識の変容を象徴的に示すのではないでしょうか。

こうしたことは、対日本だけではなく、あらゆる面で顕在化傾向を持ったのではないかと思われます。
その結果、中南米というお膝元でも、アメリカ嫌いの国が出るという状況もあることは否めない事実です。

中国の共産党一党独裁という政治体制が、今後どうなるかは予測の限りではありませんが、
民主主義を善しとする国々の中核であるべきアメリカが、中国を敵視するのではなく、経済活動は自由で、経済発展とともに民主主義化していく可能性のある国として、寛容に指導しつつ付き合う関係を構築しようと考えることは出来ないでしょうか。

これからの世界は、アメリカの考え方次第で、良くも悪くもなるのです。
アメリカが覇権国の責任において、企業にCSRが求められるように、覇権国の地球的責任に目覚めることを願うところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。