tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費税増税論議を少し整理してみましょう

2013年08月11日 11時46分48秒 | 経済
消費税増税論議を少し整理してみましょう
 消費税増税は消費者にとって、どれだけの負担になるのでしょうか。先ずその金額を見てみましょう。あまり細かいことを言わず大まかで解り易くしてみます。
 
 日本のGDPが約500兆円その6割が個人消費です。ですから個人消費は約300兆円です。
 消費税が万遍なく1パーセント増えると消費者は同じ生活をするのに3兆円(人口1億として1人当たり年間3万円)余計支払うことになります。

 今の政府の計画では来年(2014年4月)に3パーセント引き上げて、8パーセントに、再来年 (2015年) 10月にさらに2パーセント引き上げて、今の5パーセントを10パーセントにするというのが政府の計画です。
 金額に直せば、来年は消費者にとって9兆円の負担、再来年はさらに半年分で3兆円、その翌年は通年ですから、更に3兆円負担増ということになります(経済成長等は省略した単純計算です)。

 この消費税増税は何のためでしょうか。大きく分けて、①日本の財政健全化のためと、②目的税として社会保障の財源を確保するため、の2つがあるようです。
 基本的には2つとも同じことなのでしょうが、アメリカ、EU、G20、IMFなどは、①の日本の財政健全化を重視し、日本国民は②の社会保障の財源確保を言うことが多いように思います。

 海外の意見は、何に使うかは別として、日本が財政を健全化してくれないと困ると言っているようです。世界経済にマイナスの影響をもたらすことを懸念すると言います。
 黒字経済を堅持して、国債も9割以上が国内消化で、外国に迷惑をかけていない日本に対し余計な心配をするより、自分たちの頭の蠅を追え(赤字垂れ流し対策を考えろ)と言いたい所ですが、一応、心配のお礼を言っておきましょう。

 多分本心は、日本が経常黒字を出せなくなって、円が暴落したり、貸している金を返せと言い出したりすると困るという、自分たちの都合をまず考えての事でしょう。出来れば日本の財政を健全化させ、また円高にして、日本を収奪しようという「下心」もあるのかもしれません。

 政府は高所得の高齢者も含めた負担で、総合的な社会保障の充実などと大風呂敷を広げていますが、それには消費税10パーセントではとても足りないでしょう。一方、国債発行を支える日本の経常黒字は此の所年間数兆円ぐらいに減っています。

 極めて難しい選択を迫られている日本ですが、一筋縄ではいかないこの問題を日本はどう解決していくべきでしょうか。この問題を少し突っ込んで考えてみましょう。