tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

実体経済の力強さ

2009年01月08日 13時41分15秒 | 経済
実体経済の力強さ
  実体経済というのは案外強いものです。マスコミに大不況や恐慌の文字が躍っても、日本の実質GDPの動きはといえば、経済研究機関の2009年度予測を見ても、せいぜいマイナス1パーセントぐらいまでです。1パーセント程度のマイナスという予想は低いほうで、OECDの見通し(暦年)はマイナス0.1パーセント、政府見通しは0.0パーセントです。

 総額約500兆円の日本のGDP、1億2千600万人の日本人はそれで生活しているのですが、その500兆円の実体経済はそれほど大きな影響を受けないのです。それにしては減産や操業停止、企業は大幅減益、そして人員削減といった報道が連日です。

 経済は水の流れのようなもので、全体が、バランスの中で動いていますから、川底の形が変わったり、石の間にゴミが落ちてきたりしますと、全体の流量は変わりませんが、流れのバランスが変わります。

 日本経済で言えば、高級車の需要(輸出含む)や住宅建設や設備投資は減り、経済で言う加速度原理が逆に働いて、建設機械、産業機械などの需要はより大きく減りますが、生活関連のモノやサービスの需要はあまり減らないとか、医療費は相変わらず増えるといった形で、経済活動の部門別に違った影響が出るわけです。

 企業の場合、たとえば売り上げが多少落ちると、コストはすぐには減らなので、利益のほうは半分以下になったり、場合によっては赤字になったりします。これが大企業ですと経済が潰れてしまうような不安感を持つ人もいるかもしれません。

 しかし実体経済は、せいぜいプラス・マイナス1パーセント程度の変動なのですから、国民平均に均せば、そんな大変なことではありません。こうした時ほど、危機感をあおったり、慌てふためいたりするのではなく、みんなが落ち着いて、地道な「変化への対応努力」をしていくことが必要なのではないでしょうか。