令和2年4月1日施行の犯収法の改正の関係で,本人確認書類が変わるという告知の中に,次のような説明が散見されるようだ。
「パスポートは「2020年2月3日以前に申請した日本国発行のものに限る」という制限が加わった。様式変更により、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をデザインに取り入れた2月4日以降に申請して交付されたパスポート(20年旅券)には、従来、住所などを記載していた所持人記入欄がなくなったためだ。」(後掲BCN+R記事)
cf. BCN+R
https://www.bcnretail.com/market/detail/20200324_163405.html
「2020年2月4日以降に申請されたパスポート(新型の2020年旅券)は、住所記載欄(所持人記入欄)がないため、本人確認書類・補完書類の対象外となります。」(後掲おでかけネット)
cf. JR西日本おでかけネット
https://www.jr-odekake.net/j-west/news/pdf/oshirase_change.pdf
ん~,ということは,不動産登記規則第72条第2項第1号の本人確認書類としても,不適格ということになりますね。
これに対応する省令改正等は,未だありません。
「パスポートは「2020年2月3日以前に申請した日本国発行のものに限る」という制限が加わった。様式変更により、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をデザインに取り入れた2月4日以降に申請して交付されたパスポート(20年旅券)には、従来、住所などを記載していた所持人記入欄がなくなったためだ。」(後掲BCN+R記事)
cf. BCN+R
https://www.bcnretail.com/market/detail/20200324_163405.html
「2020年2月4日以降に申請されたパスポート(新型の2020年旅券)は、住所記載欄(所持人記入欄)がないため、本人確認書類・補完書類の対象外となります。」(後掲おでかけネット)
cf. JR西日本おでかけネット
https://www.jr-odekake.net/j-west/news/pdf/oshirase_change.pdf
ん~,ということは,不動産登記規則第72条第2項第1号の本人確認書類としても,不適格ということになりますね。
これに対応する省令改正等は,未だありません。
ただ住所記載の無いもので司法書士が本人確認したといえるかという疑問は残りますね。
権利証がない本人確認は通常のものより当然厳格に行うべき職責上の責任が内在していると思いますので。
顔写真の無い2号3号の書類とは違い、たとえ住所の記載の無い書類であっても1号書類に当たるのでしょう。(当たらなかったら改正されているはずです。)
顔写真付きといっても,例えば,パスポートは10年間有効のものもありますし,写真映りで別人にしか見えないことがあります。逆に,兄弟姉妹等(例えば,双子。)のように,別人だけどそっくりのこともありますよね。
また,「同姓同名」+「同一の生年月日」による取り違え事故は,時折報道されているところです。
私は,本人確認書類としては,やはり本人特定事項として,「氏名」「住所」「生年月日」の3点が明記されたものである必要があると考えています。
パスポートは,平成16年不動産登記法改正前においても,本人確認書類として,鉄板のものであったために,改正の際に外せなかったのではないかと思います。また,通常は,「住所記載欄」がある以上,住所の記入がされますしね。
最近では,商業登記の申請の添付書面としての本人確認書類としては,パスポートは不可とされています。官公署が「住所」を記載したものではないから,というのが理由とされています。この場合の本人確認書類は,実在性の証明であるという観点からは,可としてもよかったはずですが。
というわけで,「2020年旅券」は,不動産登記規則第72条第2項第1号の書類としては,適格であるとはいえない,と考える次第です。
双子の場合、住所が同じ場合は、住所が記載されていてもされていなくても本人確認の困難さは変わりませんよね。また,「同姓同名」+「同一の生年月日」による取り違え事故については多くの場合、顔写真があれば回避できると思います。
そうすると、住所の記載の有無によって影響が出るのは、二人の人間がそっくりさんで同姓同名で同一の生年月日で住所が異なる場合ですが、かなりのレアケースではないでしょうか。
また、今までの旅券も住所を自分で書くものでしたから、嘘をつくことはいくらでもできたわけですし。そういう意味では、今までの旅券とあまり変わらないようにも思います。
また、資格者代理人は本人確認情報として、書類の内容だけでなく「申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由」も提示しなければなりませんし、登記官がその内容を相当と認めなければ登記されません。登記官の裁量があるから、商業登記の添付書類よりも基準が緩いのではないかと思います。
取り違え事故については多くの場合、顔写真があれば回避できると書きましたが、登記には顔写真が載ってるわけではないので回避できませんね。
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との記載があり、いささか混乱しております。この内容は日本司法書士連合会不動産登記法改正等対策部の記載なのですが、誤りということでしょうか?実務上住所氏名生年月日は確認するため、旅券のほか住民票や印鑑証明書、健康保険証などの補足書類で確認するのですが、適法に令和2年2月4日以降発行の旅券が本人確認情報作成時の本人確認書類(1号)1点のみでOKとならないにもかかわらず1号書類に列挙されているのもどうなのかと感じております。内藤先生のご見解並びに法務局実務の対応でご存じの情報がございましたらご教示お願い致します。
とはいえ,マイナンバーカードの普及率も高くなっていることから,本人確認情報の作成の要否にかかわらず,パスポートのみで足りると考えるのではなく,複数の書類で確認するのがよいと思います。
本人確認書類の取扱いについては,各官公署又は各企業により扱いが異なりますが,登記所において,登記事項である「氏名及び住所」のうち住所の記載がない書類を,本人確認書類として適格性を有するという実務を維持するのは,いかがなものかと私は思います。