司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

死亡危急時遺言と遺言書の「確認」

2024-06-24 22:23:17 | 民法改正
 今朝の朝ドラ「虎に翼」,いきなり「死亡危急時遺言」が登場してびっくりしたが,同遺言は,検認とは別の手続として,「遺言の日から20日以内に,証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力がない」(民法第976条第4項,平成11年改正前は,同条第2項。戦後の新相続法の施行当時から存する規定。)のであるが・・・。

「検認」の場で,はさみで開封していたということは・・・。

「確認」を経ておらず,無効というオチ?

民法
 (死亡の危急に迫った者の遺言)
第976条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

cf. 民法の一部を改正する法律・御署名原本・昭和二十二年・法律第二二二号(御30627)
https://www.archives.go.jp/ayumi/kobetsu/s22_1947_08.html
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公益認定の基準として,外部理事及び外部監事を導入

2024-06-24 11:55:58 | 法人制度
公益法人information
https://www.koeki-info.go.jp/regulation/kaisei.html

「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第29号)が令和7年4月1日から施行される予定である。

 登記実務に関するところでは,公益認定法第5条が次のとおり改正され,公益認定の基準として,理事が監事と特別利害関係のないこと,また理事及び監事の1人以上が外部理事及び外部監事の要件を満たすことが求められることになる。

 大多数の公益法人においては,代表理事と特定少数の業務執行理事を除いて外部性の要件を充足しているので,ほとんど問題はないと思われる。

 そして,附則第5条によれば,新法の規定は,全ての理事及び監事が任期満了により退任する日の翌日から適用される。

 翌日?? 任期満了により退任する時からではないのか?

 とまれ,一般社団法人又は一般財団法人の改正はないので,「外部理事」又は「外部監事」であることについては,登記事項にはならない。

 なお,次回の改選の際からは,議案書や議事録には,「外部理事」又は「外部監事」の要件を満たす者については,その旨を明記するのが望ましいと考えられる。


改正後
 (公益認定の基準)
第5条 行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。
一~九 【略】
十 各理事について、当該理事及び当該理事と特別利害関係(一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として政令で定めるものをいう。第十二号において同じ。)にある理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
十一 【略】
十二 各理事について、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)と特別利害関係を有しないものであること。
十三・十四 【略】
十五 理事のうち一人以上が、当該法人又はその子法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)第二条第四号に規定する子法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)の業務執行理事(一般社団・財団法人法第百十五条第一項(一般社団・財団法人法第百九十八条において準用する場合を含む。)に規定する業務執行理事をいう。以下この号において同じ。)又は使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。
十六 監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事のうち一人以上)が、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。
十七・十八 【略】

附則
 (公益認定の基準に関する経過措置の特例)
第五条 この法律の施行の際現に存する公益法人又は施行日以後に前条の規定によりなお従前の例によることとされる旧法第五条の基準に基づいて公益認定を受けた公益法人については、新法第五条(第十二号に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行又は当該公益認定の際現に在任する当該公益法人の全ての理事及び監事の任期が満了する日の翌日(その日前に当該公益法人が同号の基準に適合した場合にあっては、その適合した日)から適用する。
2 この法律の施行の際現に存する公益法人又は施行日以後に前条の規定によりなお従前の例によることとされる旧法第五条の基準に基づいて公益認定を受けた公益法人については、新法第五条(第十五号に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行又は当該公益認定の際現に在任する当該公益法人の全ての理事の任期が満了する日の翌日(その日前に当該公益法人が同号の基準に適合した場合にあっては、その適合した日)から適用する。
3 この法律の施行の際現に存する公益法人又は施行日以後に前条の規定によりなお従前の例によることとされる旧法第五条の基準に基づいて公益認定を受けた公益法人については、新法第五条(第十六号に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行又は当該公益認定の際現に在任する当該公益法人の全ての監事の任期が満了する日の翌日(その日前に当該公益法人が同号の基準に適合した場合にあっては、その適合した日)から適用する。
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