tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

愛は奇跡(4)

2007-01-29 20:03:35 | 日記
一方、オードリーは、1974年8月11日にパリの北郊外のSaint Denisで生まれた。彼女の両親が、病院から彼女を連れ帰った時、彼女の祖父は手を叩いて喜んだ。
<この子の足を見てごらん。大きな水かきがついているよ>
祖父はダイバーだった。彼は、彼女もまた成長してダイバーとなる運命であると知ったのだった。その子はオードリーと両親から名づけられる。赤ん坊の頃から水に親しみ、2歳の時には泳ぎを覚えていた。そして、5歳になった時、ウエット・スーツと、シュノーケリングの3点セット(マスク、フィン、シュノーケル)を買ってもらい、誰の手助けもなしに道具を装着できるようになった。彼女は、自分でできると言っていつも手助けを必要としなかったのだ。
オードリーが人生の早い時期に天職を見つけたことは幸運だったが、健康にはあまり恵まれなかった。彼女は5歳ときに単核白血球が異常に増加する病気にかかり、そして6歳で完治。7歳の時には転んで角ばった鼻を骨折している。14歳の時に続けざまに、腸チフスと脊柱側湾症を発症し、背骨が曲がる後遺症が残った。それからの4年間は、彼女はプラスティック製のコルセットを起きている間中、身につけるはめになった。彼女がコルセットをはずせるのは海に来た時だけで、支えをはずして水中に分け入る時が生まれながらの彼女に帰れる時間だった。
1987年にエンジニアであったオードリーの父親がメキシコの水処理施設の工事のため転勤となった時、オードリーの最初の質問は<住まいは水辺の近く?>であった。1年ほどで仕事を終え、父親はフランスへ呼び戻される。この年にオードリーはフランスの映画監督のリック・ベンソンによって撮影された「グラン・ブルー」を観る。ジャック・マイヨールとエンゾ・マイヨルカの熾烈な競争でおなじみのフリー・ダイビングの映画であり深い感銘を受ける。彼女は程なくして両親に告げる。
<将来の職業を決めた。海洋生物学者になる>