tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

悪魔のいた超高速サーキット(2)

2007-01-11 20:36:04 | bad news
フォーミュラ・カー (Formula car) は、車輪とドライバーをむき出しにしたレーシング・カーの規格(フォーミュラ)にそって設計された自動車である。問題の1994年には、アクティブ・サスペンション、ライド・ハイト・コントロール、トラクション・コントロール・システム (TCS)、アンチロック・ブレーキ・システム (ABS)、四輪操舵システム (4WS)、フル・オートマチックの禁止といったハイテク・システムの搭載が禁止され、加えて最低車体重量が505kgに軽減された規則(レギュレーション)が設けられた。また、1994年の当時は溝のないツルツルのスリック・タイヤが使用されていた。セナの乗る「ウィリアムズFW16」は、前のモデルのFW14と比べるとリア・サスペンションがカバーで覆われた空力的により抵抗の少ないデザインで、その心臓部は、当時最強と言われたV型10気筒3.5cc、ルノーRS6エンジンを搭載していた。このため、シーズン前の下馬評では、いくつものレースで神業的なドライビング・テクニックを見せるセナがチャンピオン候補ナンバー1と言われていた。ところがシーズン・インすると、マシンの思わぬ欠点が現れ、セナの腕を持ってしても予選でベネトンのミハエル・シューマッハの前に出るのがやっと。前年アラン・プロストとのコンビで何度か優勝も飾っている僚友のデイモン・ヒルに至っては、シューマッハの前に出ることすら出来ない始末であった。FW16は残念ながらFW15まで続いたウイリアムズ・マシンの圧倒的速さを持ってはいなかったのだ。
それでもセナは、1994年の開幕してからの3戦ともポール・ポジションをとった。しかし、第1戦・第2戦ともらしからぬアクシデントによりレース途中のリタイヤという結果であった。これは、このニュー・マシンFW16があまりにもコントロールが難しいためであった。