goo blog サービス終了のお知らせ 

tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

悪魔のいた超高速サーキット(11)

2007-01-20 19:50:18 | bad news

もともと、この裁判は不毛な論争に終始する構造にあった。あまりにも物理的な証拠と証言が食い違った。しかも、裁判は事故原因の追究ではなく、事故の責任の所在を問う形で行われた結果、事故原因の真実が明かされる機会が永遠に失われてしまった。結局、この裁判では、32回の公判に末、同年12月16日に被告6名全員に過失致死罪にはあたらないとして、無罪の判決が下された。1999年には控訴が行われたが、棄却され元の判決が支持された。その後、2003年にイタリアの最高裁が“重大な誤り”があったとして、控訴審の判決を取り消し、審理がやり直されることになる。パトリック・ヘッドとエイドリアン・ニューエイが、再び裁きの場に立たされ、イタリアのモーター・スポーツの将来も試練にさらされることになった。F1が再び裁かれるということで、世界に動揺が走った。

2005年5月27日。セナの事故死の原因が問われていた裁判が11年目にしてようやく終わりを告げる。罪に問われていたのは、当時ウィリアムズのチーフ・デザイナーを務めていたエイドリアン・ニューウィー、及びテクニカル・ディレクターのパトリック・ヘッドの2人。ニューウィーは無罪、ヘッドは出訴期限法により期限切れという結末。事故の真相は分からぬままである。