プーチン大統領がウクライナ4州のロシアへの編入を強行し、この強制編入を宣言した地方へのウクライナ軍による奪回を、「ロシア領土に対する攻撃」とみなし、核兵器使用など排除せず、あらゆる手段で反撃するとの勝手な・無法な口実を与えることともなったロシアによるウクライナ侵略戦争。
前号ブログでも取り上げた、「報道1930」では、ロシアの非戦略核兵器「ポセイドン」のことが報道されていた。核兵器には、大別すると「①戦略核兵器(大陸間弾道ミサイル)と②非戦略核兵器(低出力核兵器)」がある。①の戦略核兵器は現在、ロシア・アメリカともに、約6000発余りを所有しているとされている。その1発の威力は、広島型原爆の約1500倍とされる。日本にもしこれが5箇所に発射され爆発したら、日本はほぼ壊滅する。②の非戦略核兵器は、その射程が戦略核に比べて短く、威力も小さいものだ。戦術核とも呼ばれる。威力は広島型原爆と同程度のものが一般的とされている。これをロシアは2000発余り、アメリカは200発余りを現在もっている。
通常兵器ではとてもアメリカに太刀打ちできないロシアはこの10年間余り、ひたすら核兵器開発に力点を置いてきたと言われている。「ポセイドン」はこの②の非戦略核兵器に分類されるが、その威力は、広島型原爆の1000倍とされる最終終末核兵器だ。この「ポセイドン」は潜水艦から発射され、海中で爆発させる核兵器だ。通常の潜水艦では巨大な「ポセイドン」を水中発射できず、この「ポセイドン」が発射可能な潜水艦も数隻、ロシアは建造し就航させている。この潜水艦が北欧のバルト海や北海に移動してきたと報道される。「ポセイドン」による核の威嚇だ。
「ポセイドン」とは、ギリシャ神話の「地震・津波」を起こす神の名前。これが海中で爆発すると、500~600mの高さの津波を引き起こせるとされる。かりに、ヨーロッパの北海から北アメリカ大陸のアメリカ東海岸に向けて発射されると、超巨大津波により、アメリカ東部の海岸沿いの都市の全ては海の藻屑(もくず)となり、海中に壊滅をする。しかも、コンピューター操作により、いかなる海底をも海中走行し、敵国潜水艦からの遊撃を免れ、爆破海中点も自在に操作できるため、最終末兵器と呼ばれたりもする。このようなものをプーチン大統領は開発をしていたのだ。このポセイドン掲載可能な潜水艦は、今後、日本海や太平洋にも配備される予定とも報道される。(ロシアは現在32基のポセイドンを保有しているようだ。)
アメリカのサリバン国家安全保障担当補佐官は、9月25日、ロシアがなんらかの核兵器を使用した場合は、「ロシアに壊滅的な結果を与える」と警告した。プーチン大統領がウクライナなどで核兵器使用に踏み切った場合、アメリカは核兵器での反撃ではないかもしれないが、強力な通常兵器を使用しての大反撃を行い、ロシアのプーチン政権を壊滅させるとの強いメッセージを発したこととなる。
10月5日に公表されたウクライナ侵略戦争へのアメリカ人の意識調査。米国人の約4分の3(73%)が、ロシアが核兵器使用の可能性に言及しても米国は引き続きウクライナを支援すべきと考えているとの意識調査の公表だった。(支持政党別では、共和党支持者の66%、民主党支持者の81%が支援継続すべきと回答している。) 8月の同意識調査では、「支援すべき」は51%だったので、武器支援継続の世論が、アメリカ国内で急速に高まってきていることが明らかになった。これは、11月に行われる米国の中間選挙にも影響を与えると予測されている。
池上彰氏は、テレビ報道番組で、「ロシアが期待する"冬"と"あの人"」と語っていた。これからの冬期により、燃料費が高騰するヨーロッパ諸国での分断、"あの人"とは米国の前大統領トランプ氏の2024年大統領選挙での復活への期待。
10月8日付朝日新聞。「強権に抵抗、平和賞—ベラルーシ活動家、ロシア、ウクライナ2団体/侵略さなかノーベル賞」「欧米は歓迎や称賛、中国は沈黙」、「ノーベル平和賞—圧政に抗する活動の力」(社説)などの見出し記事が掲載された。
10月10日付朝日新聞。「自由のため、人権のため—ノーベル平和賞 それぞれの決意—ウクライナ"市民自由センター"、ロシア"メモリアル"、ベラルーシ"ビャリャッキ氏"」の見出し記事。ビャリヤッキ氏は獄中にあり、その受賞を知らない可能性もあると報道されていた。
10月8日、ロシア本土とクリミア半島をつなぐ唯一の橋「クリミア大橋(2018年完成)」で劇的な大爆破が引き起こされた。ロシア本土側から来た個人所有のトラックが大爆発、大火災が発生した。プーチン氏肝いりの大橋の爆破、ウクライナ諸州併合の記念碑的・象徴的な橋だけに、ロシア側は大きな威信ダメージを受けたこととなった。この出来事に関し、ウクライナのポトリャク大統領顧問は、「これは始まりだ。違法なものはすべて破壊する必要がある」とのコメントを行った。
この事件は、ロシア国内のウクライナへのロシア人協力者が、ウクライナの工作機関と共同して行ったものとの見方が有力だ。ウクライナの首都キーウの広場に置かれたクリミア大橋爆破の絵の前で写真を"喜び自撮り"する人たちの映像も報道されていた。(ウクライナは、この橋はウクライナ領海上にあるとしている。)
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