長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

sonomono ズバリ・・

2013-02-15 09:15:25 | Weblog
東京に長崎がある。
同じ高校を出て、同じ京都の大学を出て、その後東京にきた友達がいる。
その友達が住んでいたところが、東長崎。「東京にも長崎があるんか?」
と質問したことがある。30年以上も前の話だが。

昨日その「東長崎」にいってきた。
大分の小鹿田焼のお店。「おんたやき」という。お店の名は「sonomono」ズバリ!素敵な女主人がいる。
日田の山あいで、昔から女性が土の担当で、水車で土をくだき、蹴轆轤(けろくろ)を
使って器をつくり、飛び鉋や打ち刷毛目といった縄文みたいな文様の生活の雑器を
つくってきた集落がある。自給自足を旨とし、10軒以上は窯元をおかないという
主義で長く持続可能な生活を実現している日本人たちがいる。

今月の24日まで、銀座の「野の花司」の二階のギャラリースペースで、彼女
がプロデュースした展覧会をやっている。

久しぶりに池袋界隈を散策した。最初に池袋にあった事務所は、
六つ又交差点の近くにあった。そこに、普通のしつらえだけど、美味い
蕎麦屋がある。ぼくの名前を反対にしたお店。
温かい「若鶏そば」を食べながら、黒麹蕎麦焼酎「寶山」を飲む。
ここの主人は、ぼくの蕎麦の師匠と兄弟弟子で、一茶庵で蕎麦の修行をした人だ。
三色蕎麦が人気だが、ぼくはだいたい温かい蕎麦を食べながら、酒を飲む、という
のが多い。絞めは、「田舎そば」を注文して、寶山をもう一杯飲む。

その後、大塚駅までぶらぶら歩く。天真庵の二階にある李朝箪笥(バンダヂ)を
買った骨董屋の前を通ると、女将がちょうどでてきて、中に入り、いつものように
丁寧に玉露を入れてくれた。器は井上春峰。京焼きの代表選手。
奥の座敷に、なかなかいい「涼炉」と書いた箱を見つけた。なんか「!」
とくる。いけない、慢性の骨董病が体の中に発熱している。
女将の許しを得て、中身を拝見。「いいね~」とうなっていると、女将が
「寶山先生の」という。これもまた京焼きの老舗というか名家「雲林院寶山」
のものだ。「さっきは蕎麦屋で寶山を飲んだら、いっぱい800円だった。
これはもそんなもん?」と冗談をいっていたら、箱の底に、値段が書いてある。
ちょうど100杯飲める価格。でもここからが骨董屋との駆け引きになる。

・・・・勝った負けたではなく、「買った」ということになり、重たい箱
を両手にかかえ、リュックには、小鹿田焼の器やお酒が入っていて、そのまま
大塚駅から都電にのった。かなり混んでいて、「込み合ってきたら、背負ってる
リュックを前にかかえたりしてください!」というアナウンス。
こころの中で「どうしたらいいの・・」といいながら、町屋で京成に乗り換え
押上につく。夕方のニュースで、踏切事故のことを知る。きっとそこを通った
10分くらい後のことだ。昨日と今日は偶然続いているけど、続かない
ようなこともある。一日一生。昨日で一生を終えたけど、また今日生かされた。
感謝。

寶山の涼炉は、来週の「無茶しぃの会」で、みんなで使いましょう。