長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

お寺で蕎麦を食べる 蕎麦のルーツ

2013-02-08 08:17:12 | Weblog
寺方蕎麦、という言葉が古い蕎麦の本にでてくる。
栄西禅師が茶を日本に持ち込む時に、麺食いの文化も
もってきて、お寺で精進料理のように供されてきた記録がある。
京都は、どちらかといえばうどんの方に軍配があがりそうだが、
住んでみると、意外に「普通においしい蕎麦屋」があるし、比叡山の
千日回峰行の断食の前に、そばがきを食べる、というのもならわしに
なっている。比叡おろしの底冷えのする夜に、あつあつのにんそばを
食べながら、熱燗を飲む、ほど粋なことはない。学生時代は、「名誉冠」
という伏見の酒を毎日のように飲んでいた。生活費の半分以上が、名誉の
ために費やされていた。不名誉なことではあるが・・

昨日は、押上の「春慶寺」で、蕎麦会をやった。スカイツリーができる前は、
界隈では一番高い建物?なくらい高いお寺。スカイツリーからも足元を見れば
よく見える。集まったゆかりの人たちも、楽しそうに蕎麦打ちに参加してくれ、
てんぷらをあげてくれたり、鴨南蛮の用意をきゃっきゃいいながら手伝ってくれたり
して、「もちつき」よろしく、参加型寺方蕎麦会が、滞りなくおこなわれ、
こころに刻まれるような思いで深い一日になった。天恩感謝。

今やっている大河ドラマ(見たことないけど)と関係がある京都の黒谷という
古刹で、8年くらい前に「梅見の会」に招待され、その場で蕎麦を打ったことを思い出した。
そこの住職と飲んだ時の勢いで約束し、「梨の木神社の水を汲んできたら、打つ」
という条件だった。ちゃんと約束どおり、朝早くおきて、御所の横にわく名水を
組んできていただき、それで打って梅見をした日が、昨日のことのように思える。
今年は「寺方に出張蕎麦」でもやってみるか。