京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

地球ドラマチック 『古代都市ヘラクレイオン』

2013-09-15 07:11:14 | 科学・宇宙・歴史

昨日午前中に退院、家でしばらく療養します。
患部の痛みがまだあるせいか、読書に集中できず、
ブルーレイで録画した番組を見ています。

8月31日NHKEテレ「地球ドラマチック」『ヘラクレイオン海に沈んだ古代エジプト都市』は考古学ファンにはたまらない内容でした。
2012年ドイツで放送された良質な番組です。
海外のよりすぐりのドキュメンタリーを放送する「地球ドラマチック」は、気に入った番組だけときどき見ています。


ナイル川の河口、エジプトの海岸沖に伝説の古代都市が眠っています。



永年言い伝えられてきた古代都市の発掘に挑戦したのは、 フランス海洋考古学者のフランク・ゴディオです。 フランク・ゴディオは、30年前に古代都市があるという話を聞き、
以来、真実を突き止めることに情熱を注いできたと言います。



ヘラクレイオンは、古代の文献から古代エジプトの玄関口として栄えたとされています。
しかし、その位置すら分からず、当時栄えたもうひとつの町トーニスとともに、幻の都市とされてきました。





フランク・ゴディオは、 事前探査でエジプト北部アブキール湾の海底にヘラクレイオンが眠っていると考えます。
そして数年に及ぶ調査でついに海底から石の塊を発見します。





ついにヘラ クレイオンが永い眠りから目覚めることになったのです。








そして調査の結果、ヘラクレイオンとトーニスは、同じもので呼び方が違うだけだといこともわかりました。海底から引き上げられた石碑にそのことが書いてあったのです。



古代の史書に記された伝説の都市ヘラクレイオンは、2000年の時を経て実在が証明されたのでした。



わが国の縄文遺跡三内丸山遺跡や弥生遺跡吉野ケ里遺跡を発掘したようなものでしょうか。わくわくしますね。


夢の扉 疲労度計

2013-09-05 06:12:11 | 科学・宇宙・歴史


2013年9月1日放送 夢の扉
こんなことを考えている人がいるのですね。驚きました。
世界で初めて、疲労のメカニズムを解明し、疲れを 数値化することに成功した、医学博士大阪市立大学 特任教授渡辺 恭良さんが今回の主役でした。



身体の異常を知らせる 三大生体アラーム、「痛み」、「発熱」、「疲労」。
このうち、日常的に症状が出る「疲労」は、見過ごされが ちです。
疲労は重大な疾患が潜む可能性もあるが、 これまで、客観的な診断法 は確立されていませんでした。
疲れとは何か? 、なぜ、疲れるのか―? 。
これに真正面から挑み、疲労のメカニズムをで解明 したのが渡辺教授です。

1999年、疲労研究は国家プロジェクトとしてスタートし、渡辺教授を中心とする研究チームは、疲労の主な原因 物質とされてきた「乳酸」が、 むしろ疲れを取る役割があり、別の物質が疲労の 原因であることを証明しました。

さらに、疲労回復に絶大な効果を発揮する、物質にたどりつきます。
それはイミダペプチドというもので、これを1日200mg摂取し続ければ疲労の回復に効果があるそうです。
イミダペプチドが豊富な食材は、マグロ切り身1日80g、鶏のムネ肉1日100g食べれば疲労回復に効果的だそうです。

そしてさらに、採血のように患者 に負担をかけずに、手軽に且つ より高い精度で、疲労を数値化することに挑みます。なんと測るの は「自律神経」です。
自律神経は、呼吸や血液の循環などを司る神経です。
渡辺教授は、この自律神経の変化をはかることで、心身の疲労を数値化できると考え、画期的な疲労度計を完成させました。

疲労計を体感した人は、疲れが数値化されたことに驚きと興味津々でした。
労働者の疲労具合を知ることは、過労死を防止させる企業にとっても大事になります。
まずは一般検診項目に入れて欲しいと思います。




夢の扉 『スーパーレントゲン』

2013-08-19 06:29:16 | 科学・宇宙・歴史


連日ほんとうに暑いですね。。
連日の37,38度数続きに外出する気にならず、録画や世界陸上、高校野球など、
テレビを見ることが多くなりました。

昨日、録画していた8月4日のTBS番組の『夢の扉』を見ました。
登場者は、乳がんを一目で突き止める『スーパーレントゲ ン』 を開発した、
東北大学 多元的物質科学研究所 百生教授です。

実は3年前、義母が80歳を過ぎて乳がんが発見され、手術しました。
幸いに早期だったこともあり、現在も元気でいます。
そういうこともあり、番組を録画していました。

乳がんは日本人女性の14人に1人がかかり、年間1万2千人以 上が亡くなっています。
早期発見できれば、生存率は9割を超えるそうですが、
現在検診に使われている 「マンモグラフィ」というレントゲン撮影の画像 では、
乳腺と癌との見分けが難しく、 診断が困難な場合があるそうです。
乳腺のようなやわら かい組織が写せないという 、100年続くレントゲン技術の常識を打ち破り、乳がんを一目で発見できるのが『スーパーレントゲン』です。
その解像度は、 最新のMRIのなんと約100倍だと言いますから驚きです。

番組はこのスーパーレントゲンが、乳がんの診断だけでなく、
関節リウマチの早期発見にも極めて有用であるとのことです。
スーパーレントゲンが一般病院でも早く利用できるようになれば、
早期診断が可能となり、多くの患者の命が救われる機会が広がります。
早くそうなってほしいと願うばかりです。

話は変わりますが、私は今まで2度MRIを撮ってもらいました。
1度目は10数年前、2度目は数年前に五十肩になった時です。
撮影時間は幾分短くなりましたが、肩が痛くてたまらないのに、
30分以上動かせないのは非常につらいものでした。
それと私は、閉所が苦手なので、それもかなりつらいものでした。

新たな機器開発も、患者ができるだけ苦痛が少ないようにしてほしいと思います。



百生教授

夢の扉 奇跡!CO2 がエネルギーになる

2013-08-13 06:37:04 | 科学・宇宙・歴史


連日の猛暑で、外出は晩ごはん作りに必要な買い出しだけです。
それが終われば、エアコンが効いた居間に閉じこもっています。
早く気温が下がり、気軽に出歩けるようになって欲しいものです。
それでも、どうした訳か昨晩は気温が下がり、窓を開けると涼しい風が入って、
エアコンなしで就寝できました。
天気予報を見てみると、夜中涼しいのは昨夜だけのようで、
今日以降はまだエアコンが必要なようです。

日曜日夜のテレビ、『夢の扉』を見ました。
地球温暖化の“元凶”と言われてきた、二酸化炭素=CO2 ですが、
その CO2を光と水を使って、 エネルギーに変える、「人工光合成」
という研究があるそうです。
いま世の中では、CO2削減が叫ばれていますが、いわばその「悪者」を、
人類にとってなくてはならないエネルギーに作り変えるという、
私には考えもつかないことにチャレンジしている人たちがいます。

その人たちは、人工光合成の研究で、世界をリードする、
パナソニック先端技術研 究所の山田由佳が率いる研究チームです。
2012年、世界最高のエネルギー変換効率を実現したそうです。

植物の光合成は、CO2を減らすと同時に栄養分をつくります。
山田チームは栄養分の代わりにエネルギーになりうる有機物を作るもので、
めざすのは、太陽の光で人工光合成を行い、都市ガスの主成分であるメタンや、
車の燃料となるエタノールを生み出すことです。
山田チームは実際の太陽光のもと、 CO2からメタンガスを作る実験を行い、
見事成功させました。
そして2020年までに100メートル四方のプラントを建設し、
年間10トンのCO2を吸収して、6000リットルのエタノールを 生産する、
「人工光合成プラント」を稼働させると いう大構想を抱いています。
これは同じ森を作るのと同じCO2 削減効果があるそうです。

山田由佳さんは、「CO2 はいまみなさん嫌がられていますが、これをきちんとリサイクルすれば、石油石炭に代わるような燃料としても使える。その燃料をわれわれの手で作りたい」と熱く語っていました。



思いもつかないことを考える人たちがいるものですね。
早く実現して欲しいと思いました。


『どこでもスイッチ』

2013-07-31 06:16:57 | 科学・宇宙・歴史




山口県、島根県の豪雨災害に驚かされています。お見舞い申し上げます。

京都はこのところ毎日梅雨のように蒸し暑い日が続き、外出する気になりません。
運動不足が明らかなので、スポーツジムにでも行こうかなと思いつも足が出ず、
エアコンの効いた居間で過ごしています。
とはいえ、主夫見習いゆえ、買い物にはいかなくてはなりません。
イオンは早朝7時から開店していますので、最近はもっぱら朝にでかけます。
わが家は、小さいながらも庭が3面ありますので散水し、草取りしたり、
家の中を掃除機をかけるなどし、午後はパンを焼きながら、録画していたテレビをみたり、パソコンをいじったりしています。
退職後しばらくは、外出しないと勿体ないと思っていましたが、
最近は当たり前の日常に満足しております。
そんなわけで、最近のブログはテレビ番組関係が多くなっている次第です。

夢の扉 『どこでもスイッチ』日曜夜、TBSで夢の扉 (7月28日放送) を見ました。
今年3月、身体の周りの空間や身体そのものがスイッチになる、
いわばどこでもスイッチが生まれたと番組は始まりました。
何のこっちゃと番組に吸い込まれていきました。

わずかな身体の動きでスイッチをオンする「どこで もスイッチ」は、
最先端のコミュニケーショ ンツールで、不可能を可能にするというものです。
開発者は、東京大学 先端科学技術研究センターの 巖淵守 准教授です。

ほんの少し首を傾ける、指を動かす、強く目を閉 じる。
たったそれだけの動きで家電のスイッチをオンにしたり、
メールを打った りできるというものです。

この機器は、空間や顔の一部を“スイッチ”として 設定でき、
身体を動かすことが難しい重度の障が い者も、自分の意志で 家電を操作したり、
自分の想いを伝えたりでき る、画期的なコミュニケーションツールです。
番組は巖淵先生が、なぜこの分野に進んだか、阪神淡路大震災の経験を踏まえて、
研究テーマが変わっていった経緯も伝えています。

今年3月に完成した“どこでもスイッチ”を 携え、脳性麻痺で重い障がいが残る、
学生の長田君のもとを訪ねます。
開発したスイッチは、長田君の口元をスイッチにして機械操作できました。
喜ぶ長田君の笑顔がこの機械のすばらしさを伝えています。

番組を見終わり、重度な障がい者の新たなコ ミュニケーションツールとしてかなり有望だと思いました。
こういう技術がさらに開発されることを望みます。



巖淵准教授






夢の扉 巨大海上都市が人類を救う

2013-07-27 08:55:35 | 科学・宇宙・歴史


日曜日の夜 「夢の扉」という番組が放送されています。
日本人の新たな技術開発を伝えています。
時にはこんなこと本当にできるの、まるで夢物語の世界じゃないの、
と思えることに真剣にチャレンジしている開発者の姿は、とても輝いていて、
大好きな番組のひとつです。
戦後の日本人のリーダーの奮闘を描いた、NHKの「プロジェクトX」という番組を
思い出させてくれます。
今回は、その夢物語の世界じゃないのという番組でした。

番組内容は、夢の扉HPから引用します。

「赤道直下に巨大な“環境アイランド”をつくろうとい う壮大なプロジェクトが始動した!
海上に直径3kmの人工島を浮かべ、その上に高さ1000mのタワーを建て、 全体で10万人が居住する都市をつくるという「グ リーンフロート構想」だ。

今赤道直下にある太平洋の島国が、地球温暖化に伴う海面上昇で、水没の危機にある。
国土は海に削り取られ、住居 は海に呑まれていく。

そんな地球環境問題の新たな解決策として、この 構想を考案し、 プロジェクトの責任者を務めるのが、清水建設の 竹内真幸55歳。
『夢を持つことで、技術は進歩する』と、竹内は 人類の未来を見据えて語る。

巨大なタワーの構造材には、海水から抽出したマ グネシウムを使い、エネルギーはタワー下層そして、宇宙太陽光発電などを利用。
そしてタワー下層部に植物工場を設置し食糧を 自給自足し、CO2を吸収してマイナス化するとい う『植物のような都市』の建設だ。

「そんな夢物語・・」 社内からは疑問の声―。竹内は無理に説得するのではなく、夢を語り続け、周囲が『共鳴』していくのを待っ た。共鳴者を増やし、最先端の研究や 技術を結集することで、プロジェクトは夢ではな く、実現に向け少しずつ進んでいく―。

「グリーンフロート構想」に期待を寄せるのが、 水没の危機が迫る太平洋の島国、 キリバス共和国のアノテ・トン大統領。竹内は構想を大統領に直接説明するため、片道 丸2日をかけキリバスを訪れた。果たして、もう一 人『共鳴者』を得ることはできるのか―。 世界の環境問題に立ち向かう竹内の壮大な夢と、その実現性に迫る。」
というものです。

番組を見終わって、まだ夢みたいな話じゃないのと思っています。
おそらく巨額になるだろう建設費用はどうするのとか、まるで人類移住計画みたいな話だなと考えてしまいました。

でも一方で、いずれこういう世界は来るのだろうなという気もしました。




清水建設のHPより引用







夢の扉 海洋深層水発電(OTEC)

2013-07-10 07:36:07 | 科学・宇宙・歴史


連日の猛暑にかなりまいっています。
全国的に熱中症で病院に運ばれる人が急増しているようです。
皆さま方もご注意くださりませ。


日曜日の夜の「夢の扉『南の楽園より半永久的発電』」を大変興味深く見ました。

舞台は沖縄本島から西に100キロにある久米島です。
この島は海洋深層水で知られ、車海老や海ブドウの養殖に利用されているそうです。
ここで海洋深層水を発電に利用しようと取り組んでいる、佐賀大学池上康之教授(50歳)のことが紹介されました。

池上教授が進める海洋温度差発電というのは、海の温度差を利用して発電するものです。

その仕組みを番組はわかりやすく映像で教えています。

冷たい深層水と海面近くの温められたの温度差を利用して発電するそうです。
深層水の温度は11度、海面近くは30度になります。
電気を作るには、低温で沸騰する液体フロンを利用し、温かい海面近くの海水で沸騰させてタービンを回して発電させ、蒸気は冷たい深層水で冷却し液体に戻 るシステムです。
このシステムは海から永遠に電気を取り出せるとまるで夢みたいな話です。

特に海洋発電が魅力なのは、非常に安定して24時間発電できることだと教授は言います。
この発電が適しているのは、深層水と表層水の年平均温度差が大きい場所で、20度もあれば電気を生み出せるそうです。
つまり、熱帯や亜熱帯、赤道近くの小さな島があてはまります。
現在多くの島は化石燃料で発電しているが、海洋発電なら目の前の海からクリーンな電気を発電できます。
さらにすごいのは、この発電の副産物としてきれいで安全な水ができることで、電気も、水も少ない島にとっては一石二鳥です。
こういう地域はこの発電の実用化が待ち望まれていると思います。

番組は、久米島、同様の研究をしているハワイの研究機関、企業と協力し、現在沖縄県久米島に実験プラントが今年完成し、3月の実証実験に立ち会った内容を伝えていました。
実験は見事成功しました。良かったです。

今年6月、水や電気で苦労している島から見学に来ていました。
ジャマイカ出身の国際機関関係者は、プラントを見て「ずっと待っていたのでうれしい。とにかく美しい、今まで出会った一番美しい女性と同じくらい美しい」と涙を浮かべて感激していたのがとても印象的でした。
ハワイでも来年プラントが建設されるそうです。

海から生まれるエネルギーは、稼働率が風力発電の二倍もある潮流発電、波を利用した波力発電もあるそうです。

番組を見終わって、こういうエネルギーが次々に開発され、実用化されていくことを期待したいと思いました。





久米島のOTEC実証プラント ※神戸製鋼所広報資料から引用