昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

志風頭遺跡の「隆帯文土器」を見た!

2007年01月19日 | 九州の旅
写真(上)は、鹿児島県南さつま市加世田内山田の志風頭遺跡(しかぜがしら)から発掘された12,000年前の「隆帯文土器」です。写真(下)は、出土状況の展示写真で、燻製施設と思われる連穴土抗の穴に据えられた状態で土器の大半が残っていました。直径42cm・高さ26.5cmで、発掘当時は世界最古・最大級の土器と言われていました。(現在、世界最古の土器は更に数千年前のものが発掘されています)
隆帯文土器(りゅうたいもん)は、粘土のヒモを土器の表面に付けた後、指やヘラなどで押し付けて模様を付けたもので、鹿児島縄文土器のタイプは、無紋土器→隆帯文土器→貝文土器の順で続くようです。
土器としては驚くほど大きな鉢で、縄文時代草創期から人々が定住していたことが推測できます。しかし、一体この土器を何に使っていたのでしょうね。

「丸ノミ形石斧」世界最古の丸木舟を造る道具

2007年01月19日 | 九州の旅
写真は、12,000年前(縄文時代草創期)の世界最古の「丸ノミ形石斧」で、南さつま市加世田栫ノ原(かこいのはら)遺跡から発掘され、郷土資料館に展示されているものです。円筒形の片方を斜めに切って丸みを付けた形状で、現代のノミと比較して「ノミ?」と疑う形ですが、丸木舟を作る道具と考えられています。
鹿児島県掃除山遺跡でも同時代のものが発掘され、時代は下りますが、種子島、高知、和歌山、八丈島など黒潮に沿った地方でも発掘されているようです。
丸木舟は福井県鳥浜貝塚など、日本海側でたくさん発掘されていますが、その作り方は、焼いた石を木に置き、焦がしては削る根気のいる作業だったようです。
昨年10/8 鹿児島旅行2日目の記録で、「丸ノミ形石斧」を見ることはこの旅行目的でもありました。