2012年9月13日長崎旅行5日目最終日、朝早く佐世保市のホテルを出発、佐世保市の西岸一帯に多くの小島が広がる「九十九島」を望む「展海峰」へ向かいました。
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「展海峰」の展望台から見下ろした九十九島の絶景です。
眼下の小さな港から突き出た半島の向こうには、静かな海に数多くの島が点在する雄大な風景が広がっていました。
7:40頃、展望台へ登り、しばらく薄曇りの風景を眺めていましたが、8:00頃から朝日が当り始め、すばらしい絶景となってきました。
沖に浮かぶ大きな島は「松浦島[まつらじま]」で、その右にカキ養殖のイカダが浮かんでいます。
■「九十九島」の案内板です。
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九十九島(西海国立公園)
佐世保港外から北へ25キロ、平戸瀬戸まで208の島々が連なる多島美は九十九島と呼ばれ、日本最西端の国立公園に指定されています。九十九島の中でも佐世保近海の島々は「南九十九島」と呼ばれ、とりわけ美しい島々が集まっています。
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「展海峰」から見下ろす「南九十九島」の地形図です。
「展海峰」は、佐世保湾の西を囲む「俵ケ浦半島」の山上にあり、北西方向に広がる「南九十九島」の一番の絶景を望む地とされています。
北西方向に見下ろす岬の形は、ワカメのようにも見え、その沖の「松浦島」の形は、驚くほど複雑なものです。
地形図で見る「南九十九島」の地形は、「展海峰」から見るよりはるかに複雑なものでした。
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広い駐車場から坂道を登って行くと展望台が見えてきました。
坂道の途中、広い花畑があり、まだ咲いていないコスモスが植えられており、秋には色とりどりのコスモスが咲き乱れる風景が見られるようです。
「展海峰」の案内板によると3月中旬からは菜の花が咲くとされ、春秋の観光客を楽しませているようです。
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下段の写真は、展望台から見た風景で、上段の写真は、展望台から撮ったパノラマ写真です。
展望台の階段を登るに連れて、感動の風景が広がってきました。
遠くが霞む天候で、見えない島も多かったと思われますが、多島美で知られる瀬戸内海でもこれだけの島数は見られません。
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「展海峰」の案内板にあった「南九十九島」の展望地の案内図です。
「南九十九島」の展望地は、「展海峰」の他、「船越展望所」、「石岳展望台」があるようです。
「展海峰」の案内図にA・B・C・D四方向の矢印を加えているのは、以下に掲載した展望風景の写真の方向と記号です。
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「展海峰」から北東方向(案内図矢印A)の風景です。
「俵ケ浦半島」の向うに佐世保の市街地が広がり、右手に烏帽子岳がそびえる雄大な風景です。
「展海峰」の案内図にあるように「俵ケ浦半島」のこの辺りは、幅が約300mと細くなり、「船越」の地名が付けられています。
石垣島の北部、
伊原間にも同じように島が細くなった「船越[フナクヤ]」と呼ばれる場所があり、旅行で立ち寄ったことを覚えています。
そこではお祭りの中で、船をかついで反対側の海に越えていく神事もあるようで、「船越」の地名は昔の交通の名残と思われます。
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「展海峰」から北方向(案内図矢印B)の風景です。
向かって右の峰は「赤崎岳」、少し低い左の峰は展望台のある「石岳」です。
「石岳」の左に富士山の形に似た小さな山になぜか気を引かれました。
地形図を見ると、この辺りの海に浮かぶイカダには「養魚場」と表示されており、タイ・フグなどの養殖だったのでしょうか。
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「石岳」の左の山をズームで撮った写真です。
火山とも思えない小さな山なのに何故このような美しい形をしているのでしょうか。
地図で調べると標高約260mの「愛宕山」(別名「飯盛山」)と呼ばれ、山頂に鳥居のマークがあることから信仰の山のようです。
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「展海峰」から北西方向(案内図矢印C)の風景です。
雲間から射す朝日がスポットライトのように眼下の港付近を照らしているため、沖に浮かぶたくさんの島が余計霞んで見えているようです。
冒頭の写真は、この風景の中央部をズームで撮ったもので、「展海峰」から見る最も美しいと感じた「南九十九島」の風景でした。
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「展海峰」から西方向(案内図矢印C)の風景です。
左手の沖に「黒小島」が横たわり、この辺りの海を一層波静かにしているようです。
地形図を見ると左手前の深い入江に「真珠養殖場」と表示されており、三重県志摩市の英虞湾や、愛媛県南部の宇和海に広がる「真珠養殖場」が思い浮かびます。
「真珠養殖場」の多くは、驚くほど複雑なリアス式海岸の海で見られますが、規模は小さいもののここでも真珠養殖が行われるのは納得できます。
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展望台の下に「田中穂積像」(作曲家)が建っていました。
知らない人でしたが、案内板を見ると昔のサーカスで聞かれた「美しき天然」を作曲した方でした。
哀愁を帯びたメロディーですが、美しい自然の風景を歌った曲だったとは意外でした。
■田中穂積像の案内板です。
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田中穂積と美しき天然
「美しき天然」は佐世保で生まれた曲です。独特のヨナ抜き(4、7番目のレ、ソの音がない)短音階を用いた日本初のワルツ曲「美しき天然」は、明治35年(1902)、佐世保市制施行の年に創設された私立佐世保女学校(後の市立成徳高等女学校-現佐世保北高等学校)で、音楽を指導した佐世保海兵団楽隊第三代軍楽長田中穂積によって、女学校のための音楽教材として作られたものです。
鳥帽子岳や弓張岳から望む九十九島の風景をこよなく愛し、その想いを武島羽衣の詩に仮託して作曲したといわれています。田中穂積より直接口授された当時の女学生の愛唱歌となり、また校歌の代わりとして歌われました。
田中穂積が没した翌年(1905)に楽譜が出版されるや、いろいろな場で演奏されるようになり、サーカスのジンタとしても親しまれて、全国に広まっていきました。
現在、この哀愁を帯びた美しいメロディーは、国境を越えて中央アジアでも演奏されています。
田中穂積 経歴
1855(安政2)年11月4日 現在の山口県岩国市に生まれる。
1899(明治32)年 佐世保海兵団楽隊第三代目軍楽長として着任。
1902(明治35)年 「美しき天然」を作曲。
1904(明治37)年 永眠。享年49。佐世保市東公園(旧海軍墓地)に眠る。
◎田中穂積像は西海国立公園指定50周年を記念して、成徳高等女学校同窓会から寄贈されたものです。
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展望台の下から見渡す九十九島の風景です。
写真左上は、赤紫のクズの花で、展望台の周囲に咲き乱れていました。
何気なく見られる花ですが、間近に見たクズの花に意外な美しさがあることを知りました。
駐車場からの広い花畑に植えられたコスモスの花は見られませんでしたが、クズの花に「美しき天然」を見つけた9月の「展海峰」の見物でした。