昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

川辺町の「飯倉神社」

2007年01月20日 | 九州の旅
写真は、「川辺の大クス」のある飯倉神社です。
710年頃(和銅年間)の創建と伝えられ、祭神は、玉依姫命(たまよりひめのみこと)・大綿津見神(おおわだつみのかみ)・食飯魂命(うがたまのみこと)です。
食飯魂命とは稲作の神様です。大綿津見神は玉依姫命や、豊玉姫命のお父さんです。玉依姫命は、古事記では姉の豊玉姫命(彦穗穗出見尊の后)が鵜葺草葺不合尊を産んだ直後、八尋和邇(やひろわに=サメ)(日本書記では龍)の姿を見られて去ったため、残って養育した後、その鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえず)の后となったとされています。又、玉依姫命が后になって生んだ子が神武天皇です。
神話は、時に非現実的なストーリーを展開させますが、何代にもわたって伝えられた結果、徐々にとんでもない内容に変化したのではないかと推察しています。
初代の神武天皇の母は、サメの妹(=サメ)であったことが権威付けになるとは思われません。地神である大綿津見神の血筋がサメ(又は龍)で、「高天原」から天下った天孫にその血筋が2代にわたって混ざっていると説明することにあまり意味があるとは思えません。
毎年7月10日には「御田植え祭り」があり、近くの御神田の田植え神事や、棒踊りが奉納されるそうです。
下の写真は、拝殿の両脇にあった狛犬ですが、かなり古そうで表面が崩れていました。なんだか振り返って後ろを見ているようで、本当ならちょっと珍しい狛犬ですね。

落雷に耐えてそびえる「川辺の大クス」

2007年01月20日 | 九州の旅
写真は、鹿児島県知覧町の西に約5Kmの川辺町にある「川辺の大クス」です。
飯倉神社境内の境内入り口の鳥居の横に大クスがあり、幹周16m・高さ25m・根回り22mで、樹齢は推定1200年と言われています。
1,200年もの間に何度か落雷にあったようで、幹が三つに裂け、その一つが枯れて悲惨にも二本の木のようになっています。
幹の周囲は、痛々しくたくさんの柱で支えられていますが、離れて見ると頑張って葉を茂らせ、風雪に耐えてきた風格を感じます。
各地で巨木を見てきましたが、心に残る木の一つになりました。