昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

「知覧型二ツ家」は、黒潮文化圏の住宅だった

2007年01月27日 | 九州の旅
写真上は「知覧型二ツ家」で、母屋(オモテ)と、台所(ナカエ)の二棟を合体したもので、知覧独特の建築様式だそうです。(写真右上に平面図があります)
鹿児島の民家は、母屋と、台所の二棟が隣接して建てられる形式だったようですが、沖縄旅行で見た古い民家を思い出しました。
写真下は、沖縄県本部町の「おきなわ郷土村」にある地元から移設した古い住宅で、左の棟は、台所で土間になっており、右の棟は母屋で竹の床になっています。おきなわ郷土村には与那国島・奄美大島・琉球王朝時代の民家もあり、いずれも「二棟造り」となっていました。
「二棟造りの民家」を調べたら沖縄から小笠原島までの黒潮に沿った地域に見られるそうで、国境を越えた古代からの伝統的な住宅形式かも知れません。

知覧二ツ家の「雨戸回し」

2007年01月27日 | 九州の旅
二ツ家の母屋で、オジサンによる雨戸回しの実演がありました。
実演の前に縁側に座っている人に座る位置を変えるよう指図を始めたので、何が始まるのかと見物客が注目します。
(回転する雨戸が当らない配慮だったことが後で分かりました)

雨戸が、南側と、東側の角を90度回転して進むカラクリが解説されました。
角の柱と、その外側にある竹の柱の間を雨戸が90度回転して通りますが、鴨居や、敷居の溝にも角柱に近い部分は回転ができるよう工夫がされています。
南側の戸袋を無くし、奥の戸袋に収納することで南側全てが開放され、部屋が明るく、風通しが良くなるそうです。

写真左-角の柱、外側の竹柱、上の鴨居に雨戸がこすれた跡に注目
写真中上-回転中の雨戸
写真右-回転をほぼ終えた雨戸

おもしろい「知覧傘提灯」(ちらんかさちょうちん)

2007年01月27日 | 九州の旅
写真は、江戸時代(安政年間)に下級武士の内職として知覧で考案されたちょっと可愛い「知覧傘提灯」です。茅葺きの民家「知覧型二ツ家」で写真のオジサンがとてもおもしろく説明していました。
閉じた状態は円筒形で携帯性が良く、護身用の武器になります。又、開いて頭にのせると日傘・雨傘、開いて上下に引っ張れば提灯になり、「三徳傘」とも言われる優れものだそうです。現在は、インテリアとして人気があり、一本1,5000円で、予約から品物が届くまで数ヶ月かかるようです。
作り方は、竹の一節を32等分に割り、閉じた状態が元の竹の形になるよう和紙を張り合わせるそうですが、竹を正確に割るだけでも相当な修業が必要だろうと思います。