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実用新案法14条の3 (18.5.30)

2006-05-30 20:30:10 | Weblog
実用新案法14条の3

(1)実用新案法14条の3第1項
 ① 柱書
()訂正の審理は、審判官ではなくて、特許庁長官が行う。
()7項の訂正の場合は請求項の削除のみであるので、基礎的要件をあらためて審理する必要はない。
()しかし、請求の範囲の減縮等を目的とする訂正がされた場合には、請求項に保護対象でないものが記載される可能性がある。
 また、考案の単一性を満たさないような訂正がされる場合もあり得る。
 そこで、1項の訂正については、基礎的要件をあらためて審理することとしたものである。
()補正命令を受けた場合には、訂正明細書等について補正をすることができる。
 すなわち、実用新案法2条の2第3項においては、訂正明細書等については補正ができないこととしているが、この規定における「補正」は自発的補正を意味するものと解される。
 したがって、補正命令を受けた場合には、訂正明細書等について補正命令を受けた事項について当然に補正ができるものと解すべきである。
 ただし、補正命令の対象となっていないいわゆる便乗補正はすることができないものと解すべきである。
 ② 1号~ 4号→実6条の2第1号~4号と同様

(2)実用新案法2条の2第3項
 実2条の2第1項の規定にかかわらず、実14条の2第1項の訂正に係る訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面については、その補正をすることができない。
 訂正明細書等については、自発補正は一切認めない趣旨である。
 したがって、補正命令を受けた場合には、この規定は適用されないと解釈することになる。

(3)実用新案法2条の3
 実14条の2第1項の訂正が基礎的要件を満たしていない場合には、特許庁長官は補正命令をするが(実14条の3)、この補正命令に適切に対応しなかった場合には、特許庁長官により訂正が却下される。
 この訂正の却下は、行政不服審査法に基づく異議申立の対象となり得る。