堤卓の弁理士試験情報

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18.9.8 実用新案法14条の2第5項

2006-09-08 10:11:02 | Weblog
実用新案法14条の2第5項

 特許法第4条の規定は、第1項第1号に規定する期間に準用する。

1.特許法4条
 1号の「2月」の期間については、実用新案権者が遠隔又は交通不便の地にある者(例えば、外国人)である場合には、職権又は請求によって、「2月」の期間が延長される。

2.第1項第1号に規定する期間
 1号の「2月」の期間のみ、特許法4条(法定期間の延長)延長の対象となり、2号の指定期間については、延長の対象となっていない。
 しかし、指定期間については、無効審判の審判長の裁量により、外国人については、90日(通常は60日)とする運用がされているので、実質的には大差がないといえる。

18.9.8 実用新案法14条の2第4項

2006-09-08 09:35:43 | Weblog
実用新案法14条の2第4項

 第1項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない。

1.実質上実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更
 「実質上実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更する」とは、
 ①請求の範囲の記載自体を訂正することによって請求の範囲を拡張又は変更するもの、
 ②考案の対象を変更する訂正、
 ③請求の範囲については何ら訂正することなく、考案の詳細な説明又は図面の記載を訂正することによって請求の範囲を拡張又は変更するようなもの
をいう。
 明りょうでない記載の釈明や誤記の訂正であっても、請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものは、この要件に違反することとなる。

2.拡張の具体例
 ・考案特定事項の削除
 ・請求項の追加
 ・実施例の追加

3.変更の具体例
 ・カテゴリーの変更
 ・対象の変更
 ・目的の変更

4.独立登録要件について
 実用新案法の訂正においては、独立登録要件(進歩性等)は訂正の要件としては規定されていない。
 実用新案法では、そもそも実体的要件については審査しないで登録する無審査制度を採用しているため、訂正においても無審査登録制度の考え方を維持することとしたものである。
 では、実体的要件(進歩性等)を満たしていない訂正がされた場合には、その取り扱いはどうなるのかというと、訂正は認めたうえで、実用新案登録無効審判において通常の無効理由として扱うこととしている(実37条1項2号)。
 したがって、独立登録要件を満たさない訂正がされた場合に、訂正後の権利が有効に存続するということはない。