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18.9.7 実用新案法14条の2第3項

2006-09-07 20:11:03 | Weblog
実用新案法14条の2第3項

 第1項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面(前項第2号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあっては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

1.第1項の訂正
 請求の範囲の減縮等を目的とする訂正のことをいう。第7項の請求項の削除を目的とする訂正と区別するためである。

2.1号(実用新案登録請求の範囲の減縮)と3号(明りょうでない記載の釈明)の訂正の場合
 請求の範囲の減縮又は明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正をする場合には、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内で訂正をしなければならない。
 すなわち、訂正の基準は、実用新案権の設定の登録時の明細書等である。願書に最初に添付した明細書等が基準となるわけではない点に注意しなければならない。
 なお、特許法では、すでに請求の範囲の減縮を目的とする訂正をし、その訂正が確定している場合には、訂正後の請求の範囲等が訂正の基準となるが、実用新案法では請求の範囲の減縮を目的とする訂正は1回しかできないため、減縮訂正後の請求の範囲が基準となるということはない。
 ただし、請求項の削除を目的とする訂正をしている場合であっても、その後、請求の範囲の減縮を目的とする訂正をすることはできるが、この場合は、訂正後の請求の範囲が基準となるので、削除した請求項が存在することを前提として請求の範囲の減縮を目的とする訂正はすることができない。

3.2号(誤記の訂正)の訂正の場合
 誤記の訂正を目的とする訂正の場合は、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内で訂正をすることができる。
 外国語実用新案登録出願については、国際出願日における原文の範囲内で訂正をすることができる(実48条の13の2)。

18.9.7 実用新案法14条の2第2項

2006-09-07 20:08:06 | Weblog
実用新案法14条の2第2項

1.柱書
 前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

 第1項の訂正は、1号~3号のいずれかを目的とするものであれば、することができる。
 内容的には、特許法126条1項各号と同様である。

2.1号
 実用新案登録請求の範囲の減縮

(1)請求の範囲の減縮に該当する具体例
 ・択一的に記載された考案特定事項の一部の削除
 ・考案特定事項の直列的付加
 ・上位概念から下位概念への変更
 ・請求項の削除
 ・多数項引用形式請求項の引用請求項の減少
 ・n項引用している1の請求項をn-1以下の独立請求項に変更
 ・上位の独立請求項を削除する結果、下位の従属請求項のみで訂正後の考案を記載することが困難又は不明瞭となる場合に、請求項数を増加して表現せざるを得ない場合

(2)請求の範囲の減縮に該当しない具体例
 ・直列的に記載された考案特定事項の一部の削除
 ・択一的に記載された考案特定事項の追加
 ・請求項を増加する訂正

3.2号
 誤記の訂正

(1)誤記の訂正とは、本来その意であることが明細書又は図面の記載などから明らかな内容の字句や語句に正すことをいい、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものをいう。

(2)誤訳の訂正は規定されていない。実用新案法では外国語書面出願制度を導入していないからである。
 外国語実用新案登録出願については、国際出願日における原文の範囲で「誤記の訂正」をすることができる(実48条の13の2)。

4.3号
 明りょうでない記載の釈明

 明りょうでない記載の釈明とは、それ自体意味の明らかでない記載など、明細書、請求の範囲又は図面の記載に不備を生じさせている記載のことである。