2009年秋・アニメ最終回の感想文その6

2009-10-04 21:42:29 | 2009年春アニメ関連

 今回はここで最終回の感想文を一度区切って次回からは秋の新番組アニメの感想文を書いていきたいと思います。半分近くは最終回を見たつもりですが新番組もそろそろ増えてきたため第1話も次々と消化していかなくては…。てなわけで今回は「咲-Saki-」「Phantom ~Requiem for the Phantom~」「蒼天航路」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Saki8 Saki9 「咲-Saki-」…月刊ヤングガンガンで連載されている、小林立の漫画「咲-Saki-」のアニメ化作品で、アニメ制作はGONZO第5スタジオです。この作品が放映していた時期にGONZOが上場廃止となりGONZO第5スタジオが制作協力に格下げとなったためピクチャーマジックがアニメ制作になっていたりします。

 麻雀が国民的競技になっているという世界設定の中、女子高生が麻雀の公式戦で勝ち抜いていくという今までに無い麻雀アニメで、GONZO特有の萌え路線になりつつもキャラクターデザインは良かったし、第1話では麻雀の説明もある程度してくれて自分のような麻雀のルールを知らない人が見ても普通に楽しめるようでした。

 この作品の素晴らしいところの一つとして、主人公達の高校はもちろんのこと県大会の優勝候補や無名の高校にもちゃんとその高校ごとのエピソードを入れてきて感情移入できたところではないでしょうか。そのため主人公の高校だけでなく、龍門渕高校や風越女子などの別の高校にも固定ファンがついていました。もちろん自分は制服が可愛い風越女子です。

Saki10 キャラクターも魅力的なキャラが多く、味方だけでなく相手側にも個性が強いキャラが多かったためどちらかというと主人公とかよりも相手キャラのほうが人気がありました。中でもやはり風越女子の池田華菜はその強すぎる個性のため「池田ァァ!」という単語が実況でも流行してました。もちろん自分はキャプテンのファンです。そしてこの作品では主人公の宮永咲が終盤になって覚醒してしまい、赤いオーラを身にまとって笑いながら相手を蹂躙したため「魔王咲」と呼ばれてラスボスとまで言われていました。あれは主人公の所行とは思えません。

 オープニングとエンディングもアップテンポでなかなか良く、シリアスな展開で終わったときはエンディングが専用の曲に切り替わったしそのあたりも好印象でした。しかし後期のオープニングとエンディングはどうも…特にオープニングは何言ってるのか全然分からないほどの歌だったのでそこは非常に残念です。

 最初の話の展開では主人公の宮永咲とおっぱいキャラの原村和の百合展開が多かったですが、どこ写してんのと言わんばかりのカメラ視点にニヤニヤしつつ合宿などでもエロいシーンが多かったです。でもここまで露骨にエロシーンが多くてもウザく感じなかったのはキャラクターデザインと話のテンポが良かったからかもしれません。今回のアニメ版では県団体戦予選が原作準拠で描かれていましたが、アニメ第19話で原作に完全に追いついてしまい20話以降はオリジナルストーリーになっていました。オリジナルストーリーになった20話以降は団体戦では見られなかったドリームマッチが多数見ることができて非常に面白かったんですが、ただあの結果は「えぇ~」と思わざるを得ませんでした。どうせもう2期やらないなら思い切った結果にしてほしかったです。

Saki11 さらにまだ原作でも登場していない全国大会の出場校も最終回で出てきていましたが、個性強すぎるを通り越してこれなんてアニメ?というかんじでした。今回のアニメ放映分まで原作がたまるのに3年かかったから第2期はまた3年後ですかね。なんだかんだで話題性もあったし今までに無い麻雀アニメとして面白く毎週楽しみにしてました。できれば2期やってほしいけどしかしGONZOはもう虫の息。

Phantom3 Phantom4 「Phantom ~Requiem for the Phantom~」…2000年に発売されたニトロプラスの18禁PCゲーム「Phantom -PHANTOM OF INFERNO-」のアニメ化作品で、アニメ制作はBEE Trainです。「機神咆吼デモンベイン」「沙耶の唄」などの作品を作ったゲーム会社ニトロプラスの名を最初に世間に広めた出世作がこの「Phantom」で、今回は10周年記念ということでアニメ化されたようです。そして監督がヤンマーニで知られる真下耕一監督、シリーズ構成がガンダムOOの黒田洋介氏となかなかのメンツが揃っていました。

 第1話では原作とほぼ同じかんじでアインとツヴァイの出会いが描かれていましたが、いかんせん他のアニメと放送時間がかぶってしまっていたためそれ以降はあまり見ていませんでした。そしてドライが加わることは原作をある程度知っていたため分かっていましたが、たしかドライってもっとそばかすがある子供だったはずじゃ…いつの間にかすごいナイスバディになっていてびっくりです。あと物語の黒幕の一人であるサイスの変態っぷりがアニメでは良く表現されていてそのあたりは人気あったようです。

 作画においてはなかなか良く、銃器の描写も良かったし原作とは全く違う絵柄でしたがアニメのほうはあれはあれで良かったと思います。モデルガンを撃っているような軽い銃撃シーンは後半ではあまり無かったように感じました。

 オープニングの後期はALI Projectの新曲でしたが、ここで流れている映像があまりにも作品の雰囲気と違いすぎたため最後まで慣れなかったです。後期のエンディングはなんか曲は良かったんですが映像がなんとも電波入ってて、まさに真下監督らしい演出でした。まぁ一番すごかったのは喘ぎ声がアハ~ンとか入っていた戦闘BGMなんですけどね。

 物語のほうは原作の江蓮ルートで話が進んでいたようで、ドライとの決戦のあとにファントムを作り上げた張本人サイスとツァーレンシュヴェスタンとの最後の戦いが描かれていました。結構最終回は駆け足だったようでAパートで戦いほとんど終わらせてBパートは原作のトゥルーエンドに近い終わらせかたをしたようで、最後にエンディング曲がかかってきて、あぁこれで終わりかなと

…あれ?

…は?

Phantom2 えええええぇぇぇぇ…と誰もが予想していなかった原作改変バッドエンドでそのまま笑いながら終わってしまい、この救いのないエンディングは後味が悪すぎました。あの「TRIGUN」のときの黒田洋介氏は一体どこへ行ってしまったのか。いやこれ考えたのは監督なのか?

Soutenkouro2 Soutenkouro3 「蒼天航路」…モーニングで連載されていた、イ・ハギン原作で王欣太作画の漫画「蒼天航路」のアニメ化作品で、アニメ制作はマッドハウスです。春の日テレ深夜枠の新作ということに加え、三国志作品では珍しく劉備や孔明ではなく曹操が主人公の作品のため今までに無い漫画として原作の人気も高いのでアニメの期待度はなかなかの高さでした。そんなアニメの第1話では若い頃の曹操の姿が描かれていて、流血などのグロイ表現も結構あり破天荒な曹操が描かれつつ許緒との出会いなどが描かれていました。

 作画がマッドハウスなだけありバトルシーンは原作のメチャクチャなバトルを見事に再現していてさすがでした。中でも呂布のバトルシーンは最初から最後まで壮絶でもはや人を超越していて、特に許緒が鎖を使ったところでの呂布の戦いっぷりは板野サーカスの再来とまで言われていました。しかし劇場版エヴァンゲリオンの弐号機のシーンとそっくりと言われて批判も少々。それでもあのバトルシーンは文句無しですごかったと思います。大量にいる兵卒もCGを駆使したりしながらちゃんと描写されていて素晴らしかったです。

 音楽もなかなか良くBGMも壮大でした。オープニングの歌?もあれはあれで良かったと思います。ただ日テレ深夜アニメのお約束である実写パート「蒼天少女」…あれは今回もイランと思いました。まぁスポンサーつながりかどうかは分かりませんが、毎回このコーナーがあるのでさすがに慣れてきた気がします。ならばよし!

Soutenkouro4 そして肝心のシナリオはというと、原作知っている人から見ると結構省略された部分もあり、張角と関羽の論争のシーンは迫力が無いとか言われていて評判は良くありませんでしたが個人的にはなかなか面白かったと思いました。たまに龍が現れてファンタジー風味になる演出は原作には無かった気がします。そしてこの作品、官渡の戦いの途中までで話が終わってしまいその後の蜀建国や赤壁の戦いなどが10秒程度のダイジェストで済んでしまったためかなり中途半端な終わりとなっていました。呉の方々も黄巾以降はほとんど出てこなかったし、孔明に至っては一瞬だけ出てそのまま最後まで出てきませんでした。しかし董卓と呂布は最後まで描かれていたためこのあたりは非常に迫力あって面白かったです。最後に2期あるか?との問いについて何か言っていたようですが音声カットされていたため不明。

 当時レッドクリフPart2が上映されていたためジョン・ウー監督が声優でゲスト出演していたりもしていました。そして声優といえば曹操役が宮野守でしたがあれはあまり評判良くありませんでした。自分も最初は戸惑いましたが終盤は慣れた気がします。でも最後まで慣れない人も多かった気がしました。

 最近のアニメは美少女が出てくるのが当たり前の萌えアニメが多い中、マッドハウスは男臭いアニメをよく作るので個人的に大ファンであります。ブルーレイはあんまり売れないと思いますががんばってこれからも男臭いアニメを作ってほしいですね。