Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

マトリックス 三部作

2013-07-16 | 映画(ま行)

■「マトリックス/The Matrix」(1999年・アメリカ)

●1999年アカデミー賞 編集賞・音響効果賞・音響賞・視覚効果賞
●2000年英国アカデミー賞 音響賞・視覚効果賞

監督=ラリー&アンディ・ウォシャウスキー
主演=キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン キャリー・アン・モス

 幼い頃、こんな夢をみた。近未来社会、人間は機械によって育てられ過去の人物の記憶・経験を疑似体験でインプットされる。ある日そのマシーンから偶然に解放された主人公(多分自分なんだろうな)が、その世界の秘密を知る・・・てな筋で、不思議と何度もこの夢をみたのです。

 で、「マトリックス」を観て、同様の設定、人工子宮までが登場するのに驚きと感動を覚えたのです。ある意味、運命の一本!。映画としては、サイバーパンクの雰囲気と、脱ハリウッドなカンフーアクションで、実に魅力的な娯楽作となっている。破滅的な未来像が、物語の痛快さとは逆に心に残るが、これも世紀末ゆえ・・・なのか。監督が同い年ってのも、この映画に惚れた理由かな。

(1999年筆)


■「マトリックス リローデッド/The Matrix Reloaded」(2003年・アメリカ)

監督=ラリー&アンディ・ウォシャウスキー
主演=キアヌ・リーブス キャリー・アン・モス ローレンス・フィッシュバーン

 映画にお金をかけるというのはこういうことだろう。高速道のカーチェスといい、VFXの凝りようといい、これはまさに”映画バカによる映画バカのための映画”。全長3キロにも及ぶ高速道のセットを実際に作ったというから驚くし、俳優たちを実際にスタント訓練して撮影するという念の入れよう。メイキングでまた感動してしまった。誰も見たことのない映像という見せ場がとにかく満載で飽きることはない。今回はエージェント・スミスの大活躍(大増殖)にとにかく圧倒される。あんな群衆アクションなんてジャッキー・チェン映画でさえやったことがないだろう。

 でも「マトリックス」の魅力はそんなビジュアル面だけではない。ガキにもわかるアクションがある上に、大人が唸るその宗教的とも言えるテーマの深さ。エジプトで上映禁止騒ぎがあったけど、”ザイオン”が”約束の地”を指すらしく、ユダヤ人のシオニズム(祖国復帰運動)を支持する映画であるから、という理由なのね(ちなみに「ガンダム」の”ジオン”も同義とか)。前作でもキリストの復活をサイバーパンクに仕立て上げた訳で、ウォシャウスキー兄弟のシナリオの構成力と世界観には今回もすげぇと言わざるを得ない。前作ほどではないけれど、今回も印象的なキーワードが散りばめられていて、実に楽しい。もうお腹いっぱい。今回は脇役キャラまで作り込みがすごいから目が離せない。僕が気に入ったのはランベール・ウィルソン扮するメロビンジアンとモニカ・ベルリッチ扮するパーセフォニー夫妻。妙に人間くさいところが面白いよね。汚い言葉はフランス語ってのがいい。

 とはいえ前半のザイオンの場面はややダレてしまったし、ザイオンの群衆の中に白人が少ないのも妙に気になった。踊り狂っていたのは黒人ばかりではないか。高速道路のシーンでボコスカ壊れるのは日本車が多かった気がするのは僕だけ?(別に経済摩擦を反映している、というつもりはないけどさ)。あー!もう完結編が待ちきれないよ!。

(2003年筆)


■「マトリックス レボリューションズ/The Matrix Revolutions」(2003年・アメリカ)

監督=ラリー&アンディ・ウォシャウスキー
主演=キアヌ・リーブス キャリー・アン・モス ローレンス・フィッシュバーン

 良くも悪しくも完結編。始まりがあるものにはすべて終わりがある、んだからそれは受け入れなくちゃね。んで、待ちに待った完結編だが、ハッキリ言おう。期待と違う。もっとアーキテクトとの関わりがあったり、ザイオン評議会の人々との政治ドラマがあったりを期待してたんだけどな。「マトリックス」の独特の世界観は久々に頭使わせる奥深いものだった。それは派手なSFX以上にこのシリーズの魅力だったはずだ。ところが、見せ場見せ場の連続たる本作には、正直頭はいらない。次から次へとうようよ出てくるセンティネルの大群にあっけにとられ、「スーパーマン」?と見違えるようなクライマックスに唖然としていればそれでよいのだぁ。

 でも今まで派手さがなかった現実世界の場面をここまで大スペクタクルにしたのは、確かにすごい。まるでパトレイバーの様な戦闘用ロボットや無数のセンティネルなど、SFX技術のすごさを実感させられる。そして何よりも僕の心に残ったのは、「ブルース・リーの魂は不滅なんだ」ということ。クライマックスの格闘シーンで、スミスを手招きするネオにその姿を重ねてしまった。シリーズを重ねる毎に随分大仕掛けの映画になっちゃったけど、それでも拳を交えるファイトシーンがやっぱり見せ場なのだ。それは嬉しいじゃない。たとえそれが天下一武闘会のようだとしても(僕はスミスがだんだんピッコロ大魔王に見えてきた・笑)。それにしてもジャパニメーションの影響力・・・すごいね。それが一番の感想かな。閑話休題。オラクルのところにいたインド系の女の子もスミスの魔手にかかってしまうのだが、それって小さなスミスができたのだろうか?そう考えるとそれが一番見たかったのだけど(笑)。

(2003年筆)







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2 コメント

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Unknown (imapon)
2013-07-17 20:56:01
なんかすごいルーティン・ドリームですね。
映画に関しては、これはどれも観てないのでノー・コメント。
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imaponさんへ (tak)
2013-07-17 23:46:35
コメントありがとうございます。

同じように、幼い頃見た夢とそっくりなシチュエーションが登場したのが、実は「薔薇の名前」。これも映画館でゾクッときました(笑)。
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