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キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

唇からナイフ

2013-12-05 | キル・ビルのルーツを探せ!
「キル・ビル」のルーツを探せ!(その31)★何故毒ヘビ暗殺団は黒いセーターを着ているのか

■「唇からナイフ/Modesty Blaise」(1966年・イギリス)

監督=ジョセフ・ロージー
主演=モニカ・ヴィッティ ダーク・ボガード テレンス・スタンプ

 イギリスの小説家ピーター・オドンネルが生み出した女泥棒がモデスティ・ブレイズ。1960年代に新聞マンガで連載されており、小説化された第1作がこの「唇からナイフ」なのだ。空手を使い、「007」みたいな新兵器、女性の魅力も武器に変え活躍する泥棒。これをモニカ・ビッティ主演で映画化したのがこの作品。イギリス政府が中東某国にダイヤを送ることになった。その護衛に雇われたのが他ならぬモデスティ・ブレイズ。ところが別の組織がダイヤを奪ったことから、頼れる相棒と共に組織に立ち向かう・・・というお話。

 ジョセフ・ロージー監督といえば、ジャンヌ・モローの「エヴァの匂い」やジュリー・クリスティの「恋」などしっとりとしたムードの映画を撮る真面目な監督のイメージがあった。正直、この映画を観て「何故ロージーが撮る必要があったの?」と疑問を抱かざるを得ない。残酷非道の悪女の登場も淡々と演出してみせるし、突然ミュージカルまがいの展開になるし、大胆なストーリーと絵になるビジュアル満載なのだが、遅々として話が進まずなーんか観ていて悶々としてくる。いやぁ、この映画はお話を楽しむよりも、純粋に雰囲気と凝った映像を楽しむのが吉ってところでしょう。同じ60年代のスパイ映画、ディーン・マーティン主演の「サイレンサー」シリーズだって理屈で観る映画じゃないですもんね(比べちゃいかんな)。ジョン・ダンクワースの音楽が魅力的。

 「キル・ビル」では、毒ヘビ暗殺団が教会を襲撃する場面で黒ずくめの殺し屋が登場する。殺し屋たちが黒いタートルネックのセーターを着ているのは、モデスティ・ブレイズがルーツ。「唇からナイフ」では部屋に忍び込む場面で、モニカ・ビッティは黒装束で登場する。また、「パルプ・フィクション」の中でジョン・トラボルタがトイレに本を持って行く場面があるが、そこで手にしているのが「モデスティ・ブレイズ」シリーズだったりする。





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