Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ダイ・アナザー・デイ

2013-03-23 | 映画(た行)

■「ダイ・アナザー・デイ/Die Another Day」(2002年・イギリス=アメリカ)

監督=リー・タマホリ
主演=ピアース・ブロスナン ハル・ベリー トビー・グレーブス

 シリーズ第20作にして40周年。記念作だからかどうかは別にしても、とにかくド派手な印象の最新作。近頃はサイケな衣装のおバカなスパイ映画やらスキンヘッド暴力男のスパイ映画が本家の「007」をしっかり意識しているだけに、そんな若い世代にも楽しんでもらおうという狙いだろう、オープニングから激しい活劇が展開される。拘禁されたボンドがいたぶられる場面をタイトルバックに使うなんて、今までにない趣向。せっかく主題歌がマドンナなんだから、シーナ・イーストンみたいに全面に出しちゃえばよかったのに・・・。しかしそっからはボンドが汚名返上の大活躍をみせる。

 全作品見続けている僕らのような従来のファンは、どうしても「007」見るとディティールに目がいくんだよね。例えばQの部屋にあった今までの”お道具”の数々。「サンダーボール作戦」とか懐かしいよね。ボンドカーも英国産に戻ってアストンマーチンだし、マネーペニーのボンドへの恋心も描かれているし、さらには過去の作品へのオマージュの数々・・・あぁ楽しい。監督にしてもイギリス連邦から選出、ニュージーランド出身のタマホリ監督だもんね(大島渚の助監督経験あり)。

 タイムリーに北朝鮮が舞台となるけれど、”謎の多い国”として題材にしただけ。冷戦終結後のボンドシリーズの悪役は、あくまでも”個人”(本作では西洋文化かぶれの北朝鮮軍人)で、本作でもその流れは変わっていない。この映画について北朝鮮がアメリカにクレームつけてきた話は既に聞いていたけど、アメリカは出資しているだけだからねぇ。この扱いがひどいというなら、「リーサル・ウェポン2」の南アフリカの方がよっぽどひどい扱いだと思うけど。でも政治的な面をうやむやにしてきた最近のボンド作品よりは、よりスリリングでスパイ映画らしいと僕は思うのだが。

 お約束の綺麗どころでは、ハル・ベリー扮する米国諜報員ジンクスの活躍がやはり見どころ。ベッドシーンも今までになく激しいし、アクションをこなすボンドガールは久しぶり(例えばミシェル・ヨー)。昔は高いところにぶら下がって「ポパイ」のオリーブみたいに"Help Me~!"と叫んでるボンドガールが多かっただけに(例えばタニア・ロバーツ)、時代とともに女は強くなっている。ロザムンド・パイクもクールでよかった。二枚目の看板ボンドガールは添え物的扱いが多かった(例えばデニス・リチャーズやキャロライン・マンロー)けれど、今回は非常に重要な役どころ。ラストの女同士の戦いは、飛行機の中だから揺れるのはわかるんだけど、タマホリ監督揺らしすぎ!(笑)。ボンドとグスタフの格闘の方が画面の細部まで楽しめるのに、せっかくの美女がもったいなーい。

(2003年筆)

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