Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ジェーン・エア

2013-03-09 | 映画(さ行)

■「ジェーン・エア/Jane Eyre」(2011年・イギリス=アメリカ)

監督=キャリー・ジョージ・フクナガ
主演=ミア・ワシコウスカ マイケル・ファスベンダー ジェイミー・ベル ジュディ・デンチ

ジョーン・フォンティーン、スザンナ・ヨーク、シャルロット・ゲンスブール、日本では舞台で松たか子が主人公を演じている「ジェーン・エア」。シャーロット・ブロンテの原作が出版されたのはヴィクトリア女王の時代のイギリス。孤児だったジェーンが、家名や財産にしばられずに自分を貫く女性像は時代を超えて多くの人々を魅了してきた。日系人監督の手による今回の映画化はミア・ワシコウスカがジェーン役。ニコリともせず、意志を強く持つ女性を演じて好感。「アリス・イン・ワンダーランド」、「永遠の僕たち」、本作とミア・ワシコウスカ主演作を観て、自分をしっかり持つ役柄にはしっくりくる女優さんだなと感じた。ティム・バートンが”戦うアリス”として彼女をキャスティングしたのも今なら納得できる。

名だたる原作の文芸ものは、どうしても期待を裏切らないようにストーリーをきっちり描ききることに重点が置かれがち。だが今回の「ジェーン・エア」は時系列を敢えて入れ替えた編集で、映画冒頭で彼女が暗い荒野をさまよっていた理由を紐解いていく。悲しい生い立ちを観客に後出しすることで、ジェーンというヒロインへの興味を駆り立ててくれる。なかなか面白い試みだ。可能な限り自然光を用いたのかと思える、映像の美しさも見どころ。寄宿学校の陰鬱な空気感、イギリスらしい荒れ野の風景と灰色の空、ろうそくの灯に囲まれたお屋敷の様子。それぞれの場面で光量の差があって、場面が変わるのに効果的。工夫があって、原作の雰囲気と風景を見事に表現してくれた秀作。

ジュディ・デンチがこういうコスチュームプレイの映画に出てくると、「エルロイ大おばさま!」(「キャンディ・キャンディ」)と心のどこかで呼んでいる自分がいる(恥)。マイケル・ファスベンダーも、ときに激しい気性になるロチェスターを演ずるにはいい配役。静と動の対比は、「イングロリアス・バスターズ」と「プロメテウス」などこれまでの主演作でも生かされている。「リトル・ダンサー」が懐かしいジェイミー・ベルは真面目な宣教師役。キャストに「ヤング・シャーロック」のソフィー・ワードの名前が。えー?どこに出てたの?。

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