Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

水を抱く女

2022-08-29 | 映画(ま行)





◼️「水を抱く女/Undine」(2020年・ドイツ)

監督=クリスティアン・ベッツォルト
主演=パウラ・ベーア フランツ・ロゴフスキ マリアム・ザリー

水の精霊ウンディーネの神話を元にした、ファンタジックなラブ・ストーリー。映画はいきなり別れ話を始める男女から始まる。女はを「アタシを裏切ったら殺す」と言い放つ。彼女の名はウンディーネ。彼女は水槽のそばでダイバーの男性と知り合い、愛し合うようになる。しかし元カレが別の女性と一緒にいるところを目撃してから、彼女の心と人間関係が揺らぎ始める。

淡々とした雰囲気の映画だが、映像で語りかけてくる演出が印象的な作品だ。潜水作業中に現れる巨大なナマズや湖中の様子。ポスターにも使われている肩越しの視線、元カレのヨハネスへの復讐シーン、そしてクライマックスの潜水シーン。それらに際立った台詞はないのだが、引き込まれる魅力がある。

ウンディーネが都市の歴史について解説をするベルリン。かつて分け隔てられていた街だ。違いを超えて一つになった街の中に、惹かれあった二人を隔てる現実がある。ラストシーンの水面から男女を見上げるカットは、触れ合えない隔たりを見つめるウンディーネの視線なのだ。

ダイバーの彼氏が心肺蘇生するために、ビージーズのStayin' Aliveを歌いながら胸を押す場面が好き。






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