Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ノートルダムの鐘

2023-12-09 | 映画(な行)

◼️「ノートルダムの鐘/The Hunchback Of Notre Dame」(1996年・アメリカ)

監督=ゲイリー・トルースデール カーク・ワイス
声の出演=トム・ハルス デミ・ムーア トニー・ジェイ ケビン・クライン

ディズニー映画をいちばん観ていたのは1990年代。「リトル・マーメイド」から始まる、いわゆる"ディズニー・ルネサンス"と呼ばれる時代だ。配偶者がディズニー好きでレーザーディスク(笑)で映像ソフトを集めてた。僕は「アラジン」のA Whole New Worldのピーボ・ブライスンのパートを練習してカラオケでも十八番だ。90年代ディズニー作品で観ていなかった作品の一つが「ノートルダムの鐘」。当時の僕は最初の転職をする頃だから、ディズニーどころじゃなかったんだろう。

冒頭から、語り部となる道化の歌と怒涛のミュージカルシーン。その華やかさの一方で、語られる物語は暗く重たい。ジプシー狩りをする判事フロローが女性を殺害し、彼女が抱いていた醜い赤ん坊を井戸に捨てようとする。ノートルダム寺院の司祭に咎められ、その子を育てることを約束させられる。カジモドと名付けられた子供は成長し、ノートルダム寺院の鐘撞きになった。しかしフロローによって、外に出ることを禁じられていた。祭りの日に言いつけに背いて街に出たカジモドは騒ぎに巻き込まれてしまう。

この頃のディズニー作品は大人向けな題材が多いが、本作にはディズニーお得意の魔法は出てこない。喋る石像たちが出てくるが、彼らにしてもカジモドのイマジナリーフレンドのような存在だ。また、冒頭の殺人から始まって、醜い人を見世物にする祭りの一幕、一転して異形の者を忌み嫌う世間の視線、カジモドに向けられる仕打ち、偏見に満ちたジプシーへの弾圧など、人間の汚い面が描かれる。

しかし、ジプシー娘のエスメラルダ、護衛隊のフィーバス隊長との出会いで、カジモドの未来が大きく動き出す重厚な物語は目を離せなくなる。聖地だから手を出せないはずの大聖堂に兵隊が迫るクライマックスを経て、カジモドが外の世界に受け入れられるラストは感動的だ。本作も「美女と野獣」などと同じく、舞台のミュージカル作品として語り継がれている。この時代のディズニー作品のクオリティの高さを改めて感じた。




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