さて。いち映画ファンとしての年中行事、2023年の年間ベストを発表しまーす。この1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクト。公開年にタイムリーになってません。配信で旧作を観なおす機会も多かったので、ご了承くださいませ。
tak's Movie Awards 2023
■作品賞=「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(2023年・アメリカ)
上半期に外国映画にありつけなかったことやリバイバル上映が楽しかったこともあり、下半期いちばんの衝撃となったのは本作。マーチン・スコセッシらしい裏社会の描き方が、アメリカの黒い歴史をスクリーンに刻み込む。
今年の10本
SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022)
TAR/ター(2022)
イニシェリン島の精霊(2022)
帰れない山(2022)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023)
ゴジラ-1.0(2023)
翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~(2023)
バッファロー’66(1998)
ファルコン・レイク(2022)
私がやりました(2023)
■アニメーション作品賞=「さよならの朝に約束の花をかざろう」(2018年・日本)
Filmarksの再上映イベントにて鑑賞。勝手に恋愛ものだと思って避けていた。スクリーンのこっち側との接点がまったくないファンタジー映画だけど、ここに描かれる人を思う気持ちは普遍的なもの。
■監督賞=ボブ・フォッシー「キャバレー」(1972年・アメリカ)
ミュージカル映画がもつ音楽の力と、映画がもつ物語の力が見事な調和をもたらす傑作。2022年の「午前10時の映画祭」を見逃し、配信も近場のレンタル店でもありつけず、やっと観ることができた。ノミネートに旧作が多いのはそれぞれのすごさを思い知らされたから。
今年の10人
今村昌平「カンゾー先生」
イヴ・ロベール「わんぱく戦争」
今敏「パーフェクトブルー」
北野武「首」
ジョン・フランケンハイマー「大列車作戦」
トッド・フィールド「TAR/ター」
フランソワ・オゾン「私がやりました」
ボブ・フォッシー「キャバレー」
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
宮崎駿「君たちはどう生きるか」
■主演男優賞=ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ「帰れない山」(2022年・イタリア=ベルギー=フランス)
育ち方も生き方も違う二人の心のつながりに胸を打たれる。心のどこかで人と自分に優劣をつけて日々を過ごしている僕らに、気付きを与えてくれる。二人の対比があるからこその素晴らしさ。ペアで選出といたします。
今年の10人
イヴァン・アタル「ふたりのマエストロ」
コリン・ファレル「イニシェリン島の精霊」
ジャン・ギャバン「現金に手を出すな」
トム・クルーズ「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」
バート・ランカスター「大列車作戦」
ヴィンセント・ギャロ「バッファロー’66」
ホアキン・フェニックス「ナポレオン」
光石研「逃げ切れた夢」
ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ「帰れない山」
レオナルド・ディカプリオ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
■主演女優賞=ケイト・ブランシェット「TAR/ター」(2022年・アメリカ)
全編出ずっぱりで主人公のあらゆる感情を表現し尽くす。撮影後に引退もほのめかす程に完全燃焼した名演技。音楽家としての音楽に向き合う姿勢や厳しさ。普通の人間性では高みにはたどり着けない。その凄みを思い知らされる。
今年の10人
イザベル・カレ「ムースの隠遁」
キャリー・マリガン「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
ケイト・ブランシェット「TAR/ター」
シアーシャ・ローナン「ウエスト・エンド殺人事件」
ジェーン・バーキン「彼女とTGV」
ゾーイ・カザン「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
ソフィア・ローレン「ふたりの女」
マルシューカ・デートメルス「肉体の悪魔」
ミシェル・ヨー「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
ライザ・ミネリ「キャバレー」
■助演男優賞=キー・ホイ・クァン「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年・アメリカ)
80年代映画育ちにとっては懐かしい友達との再会。マルチバースで様々な顔を見せる役柄だが、僕らはこれまでの彼のキャリアに重ねてしまう。お下品なギャグやふざけた作風が硬派な映画ファンに嫌われる本作だが、俳優陣の頑張りは評価されるべき。
今年の10人
エイドリアン・ブロディ「ウエスト・エンド殺人事件」
キー・ホイ・クァン「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
クリストファー・ウォーケン「グリニッジビレッジの青春」
ジョエル・グレイ「キャバレー」
バリー・コーガン「イニシェリン島の精霊」
ブルース・ダーン「ブラック・サンデー」
ブレンダン・グリーソン「イニシェリン島の精霊」
マッツ・ミケルセン「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
リノ・ヴァンチュラ「現金に手を出すな」
ロバート・デ・ニーロ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
■助演女優賞=リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(2023年・アメリカ)
じわじわと迫る日常の恐怖の中、夫への信頼と白人への疑念の間で葛藤する女性を演じて、堂々たる演技で大物男優と渡り合う見事な仕事。
今年の10人
イザベル・ユペール「私がやりました」
オリビア・ハッセー「サマータイム・キラー」
ケリー・コンドン「イニシェリン島の精霊」
シェリー・ウィンタース「グリニッジビレッジの青春」
ジャンヌ・モロー「大列車作戦」
ジョアンナ・シムカス「冒険者たち」
ノエミ・メルラン「TAR/ター」
浜辺美波「シン仮面ライダー」
ミュウ・ミュウ「ふたりのマエストロ」
リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
■音楽賞=上原ひろみ「BLUE GIANT」(2023年・日本)
予告編見て音楽が上原ひろみと知った瞬間に、これはすんげえもんが聴けるに違いないと確信。2023年に最も聴いたサントラ盤はこれ。モーションキャプチャーによる演奏シーンのビジュアル表現に賛否は分かれたようだが、その絵の向こうで演奏される音の力に僕は圧倒された。
今年の10人
上原ひろみ「BLUE GIANT」
大友良英「色即ぜねれいしょん」
クインシー・ジョーンズ「ホット・ロック」
ジャスティン・ハーウィッツ「バビロン」
ジョゼ・ベルグマン「わんぱく戦争」
ジョン・カンダー、フレッド・エブ「キャバレー」
岩代太郎「首」
フランソワ・ド・ルーベ「冒険者たち」
ルイス・バカロフ「サマータイム・キラー」
ロビー・ロバートソン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
■主題歌賞=心音(中島みゆき)「アリスとテレスのまぼろし工場」(2023年・日本)
ストーリーとシンクロする歌詞の叫びが心に焼き付く秀作。「心音(しんおん)」というタイトルが主人公たちの胸の高鳴りだけでなく、息遣いまで思い出させてくれる。
今年の10人
Cabaret (Liza Minnelli)「キャバレー」
DIGNITY (Ado)「沈黙の艦隊」
In This Country (Robin Zander)「オーバー・ザ・トップ」
Le Refuge (Louis-Ronan Choisy)「ムースの隠遁」
SOULSOUP(Official髭男dism)「劇場版SPYxFAMILY CODE:White」
Still Standing (Robbie Robertson)「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
Winner Takes It All (Sammy Hager with Edward Van Halen)「オーバー・ザ・トップ」
アンサンブル(TRUE)「特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト」
心音(中島みゆき)「アリスとテレスのまぼろし工場」
灰色の街(松田優作)「ヨコハマBJブルース」