◼️「TANNKA 短歌」(2006年・日本)
監督=阿木燿子
主演=黒谷友香 黄川田将也 村上弘明 中山忍
「結婚願望ないんですよね。人生楽しんで、変化していきたい」
と黒谷友香は最近のインタビューで答えている。昔から「凛とした」って言葉が似合いそうなカッコいい女の人だなー、と思ってた。自分に素直なスタイルを貫いてるイメージだったから、そのインタビューは答えの一つ一つに納得できた。
そんな彼女の映画初主演作。男と女を短歌で詠んできた俵万智の恋愛小説を原作に、これまた男と女を歌詞の世界で描いてきた阿木燿子が監督。映画としての物足りなさは多々あるけれど、絵になる構図や工夫が見られて好感。例えば葬儀の後で列席した同級生たちが、同世代女性の本音を語り合う場面。初めは5人がまっすぐカメラを見据えていたのが、斜めに5人の顔が並んだ構図で、長回しで撮りながら喋る一人一人にピントを合わせていく。それぞれが主張してる感じが伝わって面白い。
尊敬できる歳上男性と、頼りないけど自分にまっすぐ気持ちを向けてくる歳下男性。二股だと言われたらダーティに響くけれど、どうしても相手に惹かれてしまうこと、一緒にいることが楽しいと思える気持ち、そしてそれが変わっていく様子が、俵万智が詠んだ短歌と共に描かれる。二人の間で揺れるヒロインが物語の主軸だが、そこに中山忍演ずる妊活中の友人など同世代の女性の意見が絡んでくる。「男にゃわからん」映画だと言われたら確かにそうかも。
おそらく大多数の世の殿方は、黒谷友香を裸にするための文芸作品を東映が撮りました、程度にしか思わない。劇中登場するベリーダンスも同じく、ダンスで美を示そうと踊る女性たちに対して、露出が多い衣装に殿方はついついドキドキしてしまう。でも、これは女性をターゲットにした作品。俵万智の短歌に詠み込まれた心情を、阿木燿子が映像で示そうとする試み。べったりくっつかれた歳下男性は、自分にとって「荷物」なのか「翼」なのか。二人の表現者が言葉を大切にしているのが伝わってくる。言葉を大切にする人の仕事って素敵だ。
と黒谷友香は最近のインタビューで答えている。昔から「凛とした」って言葉が似合いそうなカッコいい女の人だなー、と思ってた。自分に素直なスタイルを貫いてるイメージだったから、そのインタビューは答えの一つ一つに納得できた。
そんな彼女の映画初主演作。男と女を短歌で詠んできた俵万智の恋愛小説を原作に、これまた男と女を歌詞の世界で描いてきた阿木燿子が監督。映画としての物足りなさは多々あるけれど、絵になる構図や工夫が見られて好感。例えば葬儀の後で列席した同級生たちが、同世代女性の本音を語り合う場面。初めは5人がまっすぐカメラを見据えていたのが、斜めに5人の顔が並んだ構図で、長回しで撮りながら喋る一人一人にピントを合わせていく。それぞれが主張してる感じが伝わって面白い。
尊敬できる歳上男性と、頼りないけど自分にまっすぐ気持ちを向けてくる歳下男性。二股だと言われたらダーティに響くけれど、どうしても相手に惹かれてしまうこと、一緒にいることが楽しいと思える気持ち、そしてそれが変わっていく様子が、俵万智が詠んだ短歌と共に描かれる。二人の間で揺れるヒロインが物語の主軸だが、そこに中山忍演ずる妊活中の友人など同世代の女性の意見が絡んでくる。「男にゃわからん」映画だと言われたら確かにそうかも。
おそらく大多数の世の殿方は、黒谷友香を裸にするための文芸作品を東映が撮りました、程度にしか思わない。劇中登場するベリーダンスも同じく、ダンスで美を示そうと踊る女性たちに対して、露出が多い衣装に殿方はついついドキドキしてしまう。でも、これは女性をターゲットにした作品。俵万智の短歌に詠み込まれた心情を、阿木燿子が映像で示そうとする試み。べったりくっつかれた歳下男性は、自分にとって「荷物」なのか「翼」なのか。二人の表現者が言葉を大切にしているのが伝わってくる。言葉を大切にする人の仕事って素敵だ。