Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

映画 けいおん!

2011-12-15 | 映画(か行)

■映画「けいおん!」(2011年・日本)

監督=山田尚子
声の出演=豊崎愛生 日笠陽子 佐藤聡美 寿美奈子 竹達彩奈

「けいおん!」の放送が始まったとき、ビビッときた。・・・これは夢中になる。え?いい年して"萌え"かって?確かに、唯ちゃんも、澪ちゃんも、ムギちゃんも、律ちゃんも、あずにゃんもみーんなきゃわいいよ。彼女たちのゆるーい部活ライフを描いたこのシリーズ。学生時代にバンド経験ある自分からすると、「そうだよなぁ」と頷けるところが随所にあったのも夢中になった原因のひとつだ。あの山下達郎も「けいおん!」見てるという噂。別に一部のアニヲタさんたちに人気があるんじゃなくて、もはや世代を越えた人気になっているんだ。・・・と劇場版を観に行った自分を正当化する書き出しで、この記事は始まったのである。

劇場版は卒業式前という設定。第2シリーズの最終回、卒業式後に、自分たち4人を支えてくれた梓に感謝を込めて曲を贈る(名曲「天使にふれたよ」)あの名場面につながる前日談。卒業旅行でロンドンに行くことになった軽音部の面々。何故か2年生の梓までついて行くことになり5人の珍道中が描かれる。演奏するチャンスが転がり込んだりするのは、都合いい話やな・・・とも思うけど、「ごはんはおかず」を二回も聴けるのは嬉しい。残念なのは、澪がロックの聖地参りの目的でロンドンを選んだのにそういう場面が、アビーロードくらいしか出てこないことかな。とはいえ、気まじめな梓の思い込みから唯に変な勘違いをしてしまうエピソードはなかなか楽しい。あの最終回につながる「天使にふれたよ」誕生エピソードが、映画のクライマックスだ。いつもと違った曲をつくろうと懸命になる唯だが、最終的にいつもの自分たちの曲をつくることが大切だと気づく。うーん、最終回で大粒の涙を流す梓がもう一度見たかったかも・・・。

「けいおん!」の魅力は、心を許せる友達と一緒に過ごす何気ない毎日が描かれていることだと思う。バンドやっててもプロを目指すでもなく、練習もそこそこに音楽室でお茶。そののほほんとした当たり前の毎日が、世代を問わずあくせくした日常を送る僕らにはとても魅力的に映る。これ程いつも一緒に過ごせるような友人って自分にいるだろうか。学生時代にいただろか。部活離れや友達が少ない今どきの学生、仕事という関係を離れたら本音で話せる相手がいない大人たち。脇役も含めて、こんな人が身近にいたら毎日楽しいだろうなぁ・・・というキャラが多いこと。憂ちゃんのとうな世話好きの妹、さわこセンセイのような話のわかる大人、梓のような頼れる後輩。ゆるーい4コママンガの原作だけど、その1コマ1コマの間に秘められている幸せな日常への思いはアニメになって大きく開花した。「けいおん!」は僕らの気持ちを幸せにしてくれる。"萌え"でもあるかもしれないが、ある種の"癒し"だとも思うのだ。テレビシリーズの尺に慣れているだけに、劇場版は長い・・・と思える。だけど「ふわふわ時間(タイム)」が流れるエンディング。この心地よい時間が終わってしまうのが、こんなに名残惜しいなんて。映画館で鑑賞して数日経った今、リピーターの気持ちがちょっとわかってきたよ(笑)。



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