かわいそうなぞう 土家 由岐雄 武部 本一郎 金の星社 1970-01 売り上げランキング : 31113 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
うちのルーク・スカイウォーカー(7歳児)がまだ小学校にあがったばかりの頃だったかな。熱があって家にいた数日間、「本を読みたい」というので、家にあった小学校低学年向きの短いお話の本を誰かが手渡した。文字ばっかりで挿絵もわずかだったから、すぐに「読んで」と言ってくると思っていた。だが、ルークは一人で読み進めた。僕が家にいた日曜日。気分もよくなったルークは僕のところに来てこう言った。
ルーク「あのね、ちち。僕すっごく感動したお話があるんだよ。それはね・・・。」
ルークは時折うるうるきそうになりながら、僕に話して聞かせた。そのお話が「かわいそうなぞう」だった。
戦時中の日本。動物園が空襲で被害を受けると猛獣たちが町に出て危険だ、ということで次々と動物たちが殺されていた。3頭の象を殺すように言われた飼育係。1頭は大好きなじゃがいもに入れた毒ですぐに死んだ。残る2頭にはえさを与えず餓死させようとした。だが2頭はなかなか死なない。やせ細ってよろよろしながらも、飼育係に芸をしてみせてえさをもらおうとする・・・。
涙なしには読めないこのお話。今日、ルークが再び図書館で借りてきた。そういえば、昨年の終戦記念日にNHKがこのアニメを放送した。「象のいない動物園」(82)がそれだ。僕はルークと二人でその番組を観た(何故かこういう場面にレイアはいないんだよなぁ)。二人とも言葉を失ったのを思い出す。再びこの物語に触れたルークは、どう思うのだろう。「戦争って、いけない」そう思うようになっただろうか。