ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

立松和平

2012-08-21 22:18:41 | つぶやき
お盆休も終わり、なんとなく慌しい日が続き、ヘトヘトだ。

来週からは出張もあって、もう、しばらくは休みもない。肉体的疲労は
ともかく精神的な疲労は何ともしがたい。どこか遠くへ行きたい…。

あれは「立松和平」だったか、すでに亡くなっているが、その昔、朴訥な
口調でテレビでも話題となった方だ。彼がまだ、日雇いの仕事をしながら
小説を書き続けていたころ、奥さんが妊娠した。彼は、出産を前に「青春と
決別してくるから、インドに行きたい」と告げた。

絶対に反対すると思っていたのだが、そんなに行きたいなら「行ってらっ
しゃい」と奥さんは行かせてくれたのだそうだ。彼はその後、「空を飛ぶほど
うれしかった」と何かの本に記している。

当時、彼の家計は働く奥さんの収入で支えられていた。出産、育児となれば
当然、自分がちゃんと働くしかない。
だから「青春と決別してくる」という言葉になるのだが、彼には収入がなく
奥さんが働いて貯めた出産費用の一部を使って、インドに行ったのだ。

女性の側から見れば、とんでもない男に写るかもしれないが、私にはこの
気持ちが充分理解できる。男というものは、どこかにこのような要素を持
ち合わせていて、ただ、責任感という世間の常識で覆い尽くしているだけ
のような気もしている。彼は、そういう意味では、自分に正直な人だった
のだ。そして奥さんは、そのような彼を充分理解してくれる、懐の大きな
人だったわけである。

彼の言葉を借りれば、私は、まだ、青春と決別していないのかもしれない…。

では、決別するためにどこへ…。

たくさんあり過ぎて、長くなりそうで、決別ではなくて、逃避になってしま
いそうだ…。










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