ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

麻原逮捕の日とトラック事故

2018-07-06 23:28:37 | 時事(国内)
ついに麻原の刑が執行された…。

今から23年前の麻原の逮捕の日、当時、私は福岡市に住んでいた。まだ移り住んだばかりで、住んでいたアパートの近くの運送会社で日給1万3000円に目がくらんで働き始めて1週間目くらいだった。小さな会社だったけれど、トラックの種類は豊富で、社長さんが初日に「どれがいい…」と普通免許で乗れる種類の中から自分で運転するトラックを選ばせてくれた。軽トラックもあり、その方が楽かなと思ったけれど、一応、見栄を張って少し大きめのものを選んだ。

配達は朝8時から夕方まで、朝8時前に日本通運の営業所まで行って、その日担当の自分の分の荷物をトラックに乗せる。荷物の量はその日によって違い、早い日には午後2時に終わることもあった。嫌だったのは、重油の入ったドラム缶のある日だった。最初はあんなの一人で運べるはずがないと思い、「これどうするんですか?」と聞きに行くと、「お前、やったことないのか…」と驚かれると同時にあきれられてしまった。一応、転がすときはこうやって、荷台から降ろすときは、下にタイヤを置いて斜めに一気に降ろす…というようにひと通り教わるが重いし、怖くてできない。なんどやっても、どうしても出来ず、別のルートの出来る人が代わりに行ってくれることになった。この時から会社の中で、完全にヘタレ扱いになってしまった。

その日、「やぱりこういう世界は辛いな…、早いとこ別の仕事見つけねば…」などと思いながら運転しているとラジオから、麻原逮捕のニュースが聞こえてきた。別に思うところはなかったけれど、悪いことすれば捕まるのは当然、宗教家がそんなこともわからないなんてアホだな、とそんな程度だった。

で、その日最後の配達が終わり、会社に戻る途中に事件、いや、事故は起こった。

ドンつまりの道をバックで戻る途中、工事の為、道脇に寄せて作業中だったNTTの工事車両に後ろから思いっきり突っ込み追突。私が運転していたトラックは多少へこんだ程度だったが、NTT車両は結構な破損だった。何よりもそこでNTTの作業を中断させてしまったことの方が、後々、大きいことを知った。会社からはこっぴどく叱られ、「お前はうちの会社を潰す気か!」と、延々説教され、しばらくは他の人の助手に回されてしまった。この件で会社での立場もヘタレからバカタレに変った。すぐにでも辞めたかったが、きっと周囲もそう思っているんだろうなと思い、あと3週間はがんばろうと思って続けた。

その後、3週間が経って、「2週間後に辞めさせて下さい…」と言おうとしたその日、社長の奥さんから「もう、仕事慣れた?主人(社長)がね、あいつは頼りにならんけど性格が良さそうだから、トラックから降ろして営業させようかって言ってたのよ…」と聞いた。そんなことを言われたら、辞めると言いだせなくなってしまい、結局、もう2週間働くことにして、さらにその2週間後に辞めることになった。

結局、最後まで重油のドラム缶は一人で降ろせず仕舞いでヘタレの立場は変わらなかったが、辞めると言った日から、皆が妙に親切にしてくれて、それが逆に居心地が悪くなったような記憶が残っている。

麻原逮捕の日、日本中がオウムのニュースで持ち切りだった頃の苦い思い出だ。

麻原の刑の執行を聞いて、久しぶりにあの当時を思い出していた。


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