ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

小林vs江川

2010-01-21 16:19:27 | スポーツ
小学生の頃、短い間だったが少年野球チームに入っていたことがあった。
不向きだったのか、さほど楽しくなかったのか、今となってはわからな
いが、結局、1年ほどで辞め、サッカーを始めた。

たしかその頃ジャイアンツで活躍していたのが、先日亡くなった小林繁氏
である。江川とのトレード事件、あの「空白の一日」の感覚は、今の若い
世代にいくら説明しても理解できないだろう。この時代にすでに物心があった
人にしかわからないかもしれない。と言っても私自身、小学生だったが…

思えば当時、プロ野球(特に巨人)に対する注目度、関心度は、今とは天と
地ほども違ったのだ。日本は終身雇用制の時代で、トレードに対する感覚
も今とは随分違っている。抽象的だが、社会全般に日本の古き良き風習が
未だ微かに残っていた時代の話しである。

そしてこの事件当時、江川卓は国民的悪党であったと、記憶している。その
反面、小林の当時の阪神入団会見は格好良かった。そしてさらに格好良か
ったのは阪神に入団した年、22勝を上げ、最多勝利投手になったことである。
宿敵の巨人からはなんと8勝も上げたのだ。

しかし、引退は早く、31歳で13勝を上げた年にさっさと引退してしまっている。

その後は、TBSでスポーツキャスターをつとめていた。たしか、筑紫哲也の
ニュース23の初代スポーツキャスターも小林であった。しかし、そのスマート
な容姿とは裏腹に、私生活では離婚や借金問題、そして選挙に出馬し落選と
なかなかスマートにはいかなかったようである。

そして2007年、突然の江川との黄桜のCMである。CM中に交わされる言葉の
ほどんどがアドリブだったそうだが、久しぶりに見た小林さんは相変らず
スマートで紳士的な印象であった。CM自体は時代に翻弄されたスターの、
今なお風化しきれない生々しさを写しており、何だかもの凄くイマジネーション
をかき立てさせる内容であったような気がする。

こんな事件に巻き込まれなければ、小林繁はもっと長く現役生活を送ったに
違いない。そんなこともふと考えたものである。

近年、小林さんが日ハムの二軍投手コーチをやっていたというのは知らな
かった。要するに全く関心がなかったのである。しかしいざ亡くなってし
まうと、私の知っている数少ないプロ野球のスター選手だっただけに、何
だか残念でならない。合掌





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