隊長のブログ

中国上海に2003年12月から2008年1月まで駐在。趣味はヒップホップダンス、ジャズダンス、旅行、映画、スポーツ観戦。

本と雑誌 58冊 『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』

2021年05月07日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第58冊目は、『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』をお送りします。

 

 


本書の発行元の株式会社山川出版社は、高等学校用検定教科書(世界史/日本史/現代社会/倫理/政治・経済)や、歴史学関連書籍の発行を行っている出版社です。


『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』では、1964年の東京オリンピック開催年と、2020年の日本列島と都道府県を、二宮書店発行『高等地図帳』の1964年版と2020年版で、どのような変化があったかを比較することが出来ます。


高速道路、鉄道、空港などの交通機関、埋め立てなどによる地形の変化、市町村合併による行政区分の移り変わりなどが、二枚の地図を比較することで、ひと目で理解できる画期的な地図帳です。


本書を見てみようと思ったのは、今年の開催がどうなるか不透明ですが、前回・1964年の東京オリンピック開催年から56年後の日本列島が、どの様に変わったのか興味が湧いたから。


特に、変化が顕著なのは、東京です。全く、別の都市の様に、発展・変化してるのが二枚の地図から分かります。


日本列島全体を眺めると、新幹線網と高速道路網の開業・開通が、列島を切り裂くように広がっています。1964年の地図に記載のある新幹線網は、東海道新幹線の東京~新大阪間だけでした。


本書を最後まで見て、確かに、この56年間で都市や高速交通網の発展が大幅にありましたが、果たして日本は本当に豊かになったのか、疑問に思ったのも事実です。


尚、『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』の発行は、山川出版社。発行日:2020年12月12日。価格:2,000円(税抜)。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

57冊 2021/3/12 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1ac42b8270d7d14ff22a0db4a5d03259

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本と雑誌 57冊 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』

2021年03月12日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第57冊目は、『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』をお送りします。

 

 


2019年2月24日、96歳で逝去された、アメリカ合衆国出身の日本文学者・日本学者ドナルド・キーン氏。本書は、共著者の河路由佳氏のキーン氏へのロングインタビューを中心に、日本文学の大家がいかに日本語を学び、それを生涯の仕事とするに至ったのかが、描かれています。


改めて、著者を紹介すると;


ドナルド・キーン( Keene, Donald)氏は、1922年にニューヨークで生まれました。太平洋戦争中に、海軍日本語学校へ入学。戦後、京都大学大学院へ留学を果たします。帰国後コロンビア大学助教授を経て教授に就任、戦後のアメリカにおける日本文学理解を飛躍的に高めました。


2011年コロンビア大学最終講義の後、東京へ転居、2012年に日本国籍を取得。数々の日本文学、日本に関する著書があります。


河路由佳(かわじ ゆか)氏は、1959年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。現在、東洋大学国際教育センター日本語講師。専門は日本語教育学。

 

本書の構成は;

はじめに(河路由佳)

第一章 わたしと海軍日本語学校
1 外国語との出会い
2 漢字、そして日本語との出会い
3 海軍日本語学校での日本語学習
4 海軍日本語学校の先生・仲間たち

第二章 海軍日本語学校での日本語修行
1 海軍日本語学校での授業
2 『標準日本語讀本』をめぐって

第三章 海軍日本語学校時代の書簡
1 発見された手紙
2 手紙にまつわる思い出

第四章 戦時中の体験―日本文学研究の道へ
1 語学兵としての仕事
2 戦時下のハワイ大学で日本文学を学ぶ
3 日本語の専門家としての新たな出発

第五章 日本語・日本文学の教師として
1 ケンブリッジ大学での第一歩
2 教え子たちの活躍
  


感想:本書を読もうと思ったのは、もともと比較文化論に興味があり、本シリーズでも『スイカに塩をかけるのって変ですか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8eb5f1282c10bfead720ac9f30f0e038


『日本の「仕事の鬼」と中国の<酒鬼>』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ed3edee244cf65f41b5071bdc4bae8ea


『諺で考える日本人と中国人』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1f1dad80dfd1065eb243e2a08f6f25fc などを、紹介してきました。


また、隊長自身が外国人に日本語を教えていた経験があり、日本語教授法などに関心があり、『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/36dd3aaf4ea07815f7db88ae141ab7aa などを、取り上げています。


そんなこともあり、外国出身でありながら、日本生まれ日本育ちの日本人が足もとにも及ばないほど、日本文学に精通したキーン氏が、どのように日本語を習得したか興味があったからです。


ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちで、本格的に日本語を学んだのは、19歳の時、海軍日本語学校に入学してから。同校でのわずか11か月間に、仮名と漢字はもちろん、日本軍の命令・暗号解読に必要な文語やくずし字の読み方まで学んだというから驚きです。


その効率的な学習を助けたとされるのが、戦前の米国大使館で日本語教官を務めた長沼直兄(なおえ)による『標準日本語讀本』であったとのこと。


さらに、キーン氏が「一番日本語を覚えるのが早かったのは、最初から少し話せた人たちよりも、むしろ、大学で別の外国語をすでに勉強したことのある人とか、外国語を学ぶことに慣れているような人でした。そういう人が要領よく学習するコツを知っているのか、早かったです」と語っているように、両親が日本人など、当時の米国在住日本人より、このような人が日本語学校の優等生になっていとという事実に納得しました。


最後になりますが、本書が電子書籍初体験です。これまで、電子書籍は紙書籍の文化や、書店を無くす元凶などととの理屈をつけて手にしていませんでした。ところが、電子書籍は便利で楽ですね。


紙書籍を持参していなくても、外出先で急に空き時間が出来た時に、愛読書を読むことが出来ます。また、注釈に飛ぶのが楽。栞をクリックするだけで、読んでいたページに戻ることが出来るなど、利点だらけでした。


尚、『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』の発行は、白水社。発売日:2020年2月12日。価格は、紙書籍が 1,980円(税込)、電子書籍は ¥1,584(税込)。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

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本と雑誌 56冊 『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』

2020年10月30日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第56冊目は、『遊遊漢字学 中国には(いわし)」がない』をお送りします。

 


日経新聞の日曜日朝刊最終面の名物コラム「遊遊漢字学」が、本書として発行されました。


著者の阿辻哲次(あつじ てつじ)氏は、1951年大阪府生まれ。2017年に京大を定年退職後、京都・祇園の漢字ミュージアムにて漢字文化に関する生涯学習事業に参画する。専門は中国文化史。


本書の冒頭で著者は、漢字をルーツに持つひらがなやカタカナが嫌いという日本人はいないのに、なぜ漢字が好き嫌いの対象になるのか、それは非常に便利な道具であることの裏返しではないか――との持論をのべ、日本語における漢字や漢字熟語の意味・用法の変遷とその背景を、1回1文字、もしくは1熟語・成語を例にわかりやすく述べていきます。


目次:

第一章 「北」の年の漢字
すききらいのある文字
「漢字」の「漢」とは?
「漢」はもともと川の名
「櫻」と二階の女
「陽春」――陽極まりて陰生ず
「花」は「華」の簡略字形だが…
ほか 

第二章 「災」の年の漢字
「孟母三遷」教育ママの元祖
「卍」を「まんじ」と読む理由
「豆」は食べるマメではなかった
権威をなぜ「泰斗」とよぶか
茶碗でメシ食う日本人
ほか

第三章 「令」の年の漢字
令和の「令」は「霊」のあて字
まずは「門」から入れ
流れに「枕」し詭弁ふるう
幸福は誠意を「奏」でる先に
《羊》と《大》を組み合わせると
ほか


どのコラムも読後ハッとさせられる気づきに満ちたコラムばかりですが、1話800字強というコンパクトさゆえ、1話=見開き2ページの落とし噺集のような本となり、読者は興味のある文字や熟語・成語から豊穣な漢字の海にこぎ出していくことができます。


中国上海に4年2ヵ月駐在していた隊長にとって、日中の文化の差異、使用されている漢字の違いには、以前から興味があり、これまでにも、『日本の「仕事の鬼」と中国の<酒鬼>』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ed3edee244cf65f41b5071bdc4bae8ea


『諺で考える日本人と中国人』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1f1dad80dfd1065eb243e2a08f6f25fc


『ん-日本語最後の謎に挑む』⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3


など、同ジャンルと、比較文化論の本を読んできましたので、本書の発行を待ちわびていました。


本書のタイトルにもなっている「中国には「鰯」がない」の章ですが、「鰯」は、《魚》と《弱》を組み合わせ、「弱くてすぐ死ぬサカナ」という意味で日本で作られた国字(和製漢字)です。


現在の中国人は、イワシという魚を知っていますが、しかしその魚は、今の中国語では「沙丁」と書き、シャディーンと発音されます。すなわち、英語の“sardine”の音訳語であって、イワシを表す専用の漢字は、これまで中国で一度も作られたことがありません。


近年は別として、中国では海産物はいささか貧弱であって、古代の中国人はイワシを見たことがなかったと思われます。中国の古代文明が栄えたのは、黄河流域の内陸部であったので、海産魚の漢字が作られることがなかったとのこと。


従って、「鰹」、「鰤」、「鯛」、など寿司屋の湯飲みに書かれている魚ヘンの漢字のほどんどが、国字だそうです。


尚、『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』の発行は、日経BP日本経済新聞出版本部。発売日:2020年08月12日。価格:1,000円(税抜)。

 

 

==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~40冊  省略

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

 

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本と雑誌 55冊 『大森匂子 「本郷菊坂菊富士ホテル」

2020年08月22日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第55冊目は、『大森匂子本郷菊坂菊富士ホテル』をお送りします。

 




『本郷菊坂菊富士ホテル』は、総合演劇雑誌「テアトロ8月号」に掲載された大森 匂子(おおもり わこ)の戯曲です。

 




大森匂子さんは、劇団青年座・文芸演出部出身の劇作家で、劇団匂組(わぐみ)の主宰者でもあります。


「本郷菊坂菊富士ホテル」は、匂子さんが10年以上前から温めていた題材で、この作品で「第33回テアトロ戯曲賞」の最終選考作となりましたが、残念ながら賞には至りませんでした。


この戯曲は、昭和二十年三月まで東京府東京市本郷区本郷菊坂町(現・東京都文京区本郷)に実在していた「菊富士ホテル」を舞台に、経営者一家や投宿していた小説家・芸術家の物語です。


近代建築めぐりが趣味の匂子さんは、当時文京区に住んでいたので、菊坂を通るたびに消えてしまったこのホテルのことを想っていたそうです。
 

本郷に住んでいて、実家が以前旅館を経営していた⇒
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9b9ff1e016962cfd51c1ab830f76d004 隊長は、本誌を手に取るや、ワクワクしながら、一気に読み終えました。


今では、本郷の旅館は殆ど廃業してしまいましたが、「菊富士ホテル」を含め多くの旅館が岐阜県大垣出身者により営まれていたことを初めて知りました。(ちなみに、うちの旅館は千葉出身の祖父母が開業しました)

 

現存する旅館の経営者への聞き取りなど、匂子さんが丹念に取材をした様子がうかがえます。

谷崎潤一郎、佐藤春夫、竹久夢二、など、登場する著名人たちの台詞も秀逸です。

羽田幸之助・きくえの故郷・大垣との関わりや夫婦の物語、同じく中津川から上京して来た吉川早苗と藤沢百合子の故郷への思いや二人の友情物語を、読んでみたかったです。


匂子さんによると、賞応募の枚数制限で、これらをカットせざるを得なかったとのこと。元原稿には、しっかりと描かれているそうですので、本作品上演時には、全編を鑑賞したいものです。


尚、総合演劇雑誌「テアトロ」の発行は、株式会社カモミール社。価格は、1,300円(税込)です。




==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~40冊  省略

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

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本と雑誌 54冊 『大人の御朱印 50にして天命を知る』

2020年07月30日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌」を紹介するシリーズの第54冊目は、『大人の御朱印 50にして天命を知る』をお送りします。

 




東京新聞から発行された本書は、50代から御朱印集めを始める初心者向けのノウハウと、絶対行くべき58寺社が紹介されています。


熟年世代に関心の高い、出世・幸運・健康などの御利益が期待できる社寺、人生の意義を悟る社寺、日本の歴史や文化に触れられる歴史上の人物ゆかりの社寺など、関東甲信越地方を中心に紹介されています。


著者の重信秀年(しげのぶ・ひでとし)氏は、1961年広島市生まれ。早稲田大学卒。高校時代は山岳部、大学時代は探検部に所属。高校の国語教諭、広告の制作会社などを経て、フリーライターに。主な著書に『運気を拓く霊山巡拝』(六月書房)、『「江戸名所図会」でたずねる多摩』(けやき出版)など。


御朱印とは、本来、心願の成就を祈り書き写した経文等を、御本尊様の宝前にお納めし、その祈願を込めた印として頂いたものが御朱印です。


今では、「参拝の証」として、寺社が授与する、寺の本尊印や神社の社印を押したものを「御朱印」と呼びます。


朱色の印影のため、「朱印」と呼び、本尊名や神社名が墨で書き添えられていることが多いです。


既に御朱印集めを三年前にスタートして、六十余印を拝受している隊長は、決して初心者ではないのですが、改めて、御朱印について学ぼうと本書を手にしました。


御朱印に関する本は、以前、篠原ともえ著『御朱印をはじめよう』⇒
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b を読んだことがありますが、篠原さんの本は、女性を対象に平易に御朱印集めの楽しみを説いています。


一方、本書は熟年世代を対象に、目的意識を持って、楽しく御朱印を集めようという姿勢です。


本書に登場する寺社の内、既に、東京大神宮、湯島天満宮、明治神宮、浅草神社、日枝神社、高尾山薬王院、富岡八幡宮、赤坂氷川神社、江島神社、報徳二宮神社、(順不同)、の御朱印は拝受しているのですが、176ページ、オールカラー、の本書を読んで、再びその地を訪れてみたくなりましたし、未収集の寺社にはぜひ参拝してみたくなりました。


尚、隊長が集めた御朱印の一覧は、こちらの「御朱印巡り」記事一覧をご参照下さい⇒
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e23a591aa7b880a9e451c519dc5e14a5


『大人の御朱印 50にして天命を知る』の発行日は、2020年6月27日。価格は、1,400円(+税)です。



==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~40冊  省略

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

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