隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第206作品目は、『ラストレター』をお送りします。
『ラストレター』は、2020年1月17日に公開された日本映画。配給は、東宝。上映時間は、120分です。
監督・原作・脚本・編集:岩井俊二。
岩井俊二さんの「ラヴレター三部作」と言って良い、連続作品の第3作です。本作と同じ自身の原作を、本作以前の2018年に中国で映画化した作品(日本公開:2020年9月11日)で、第2作にあたるのが、『チィファの手紙』 です。
ちなみに、第1作は、1995年3月 日本公開、中山美穂・豊川悦司主演、岩井俊二監督の 『Love Letter』 。
音楽:小林武史。
出演者は、松たか子、広瀬すず、森七菜(なな)、庵野秀明、小室等、水越けい子、神木隆之介、豊川悦司 、中山美穂、福山雅治、ほか。
尚、「隊長のブログ」では、松たか子さんが出演する作品を、これで八本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
広瀬すずさんが出演する作品は、これで八本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご覧下さい 。
森七菜さんが出演する作品の記事一覧は、こちらをご覧下さい 。
あらすじ:裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなりました。裕里は、葬儀後に未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての高校同窓会の案内状と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられます。
未咲の死を知らせるために、出席した同窓会で、学校のヒロインだった姉と、裕里が勘違いされてしまいました。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続けました。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は若き鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだします。
ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていきます。。。
感想:今年一月の公開時には見逃したので、DVDがリリースしてから観ました。日本での公開は、『ラストレター』が先ですが、制作は中国版の『チィファの手紙』の方が先です。従って隊長は、制作順に鑑賞したことになります。
中国版とのストーリーの違いがあるか、分かった限りでは、一箇所だけでした。『チィファの手紙』では、姉・チーナンを虐待して自死に追い込んだ元夫・ジャン・チャオ(胡 歌)をイン・チャン(秦 昊)が問い詰め、殴りつけるシーンがあったのですが、『ラストレター』では、元夫・阿藤(豊川悦司)を鏡史郎(福山雅治)が居酒屋で追及するのですが、乱闘にはいたりませんでした。この違いは、観客の中国人と日本人の国民性の違いを意識したからなのでしょうか。個人的には、鏡史郎が阿藤を殴って欲しかった。
ストーリーは当然ながら、日本語のセリフが交わされる『ラストレター』の方が分かり易かった。題名の『ラストレター』とは、未咲が鮎美(広瀬すず)への遺書として残した、高校卒業式の答辞でした。この答辞は、鏡史郎との淡い思い出だからです。
全編に流れる音楽は、さすが小林武史と思わせる出来でした。
また、エンドロールで流れる森七菜の主題歌「カエルノウタ」も透明感のある歌声で良かったです。森七菜さん、意外と歌が上手いのですね。11月27日に終了したNHK朝ドラ 『エール』 、他の出演者の歌唱シーンがたっぷりあったのに、森七菜さんが歌うシーンがなかったのが残念です。
映像は、『チィファの手紙』の方が綺麗でした。これは、『チィファの手紙』は大連、『ラストレター』は仙台、というロケ地にも影響されたのでしょうか。
『チィファの手紙』には感情移入が出来ましたが、『ラストレター』は、それほどではありませんでした。理由を考えてみたら、中国と日本という物語の舞台の違い? 『チィファの手紙』は映画館の大スクリーンに対して、『ラストレター』は、家のテレビ画面の違い?
この二つは違いそうです。考えた挙句、キャストの違いではと思い当たりました。『チィファの手紙』は、主演の周 迅 (ジョウ・シュン)と、秦 昊(チン・ハオ)以外は全て初見の俳優さんです。
回想シーンに登場するチィファと、チィファの娘・サーランを演じているのは、同じ張 子楓(チャン・ツィフォン)。回想シーンのチーナンと、娘・ムームーを演じているのが、鄧 恩熙(ダン・アンシー)なのですが、二人とも初見の女優さんなので、最初は一人二役とは気が付きませんでした。
ところが、『ラストレター』とは、未咲と鮎美を演じる広瀬すずさんも、裕里と颯香を演じた森七菜さんもお馴染みの女優さんです。特に、広瀬すずさんは、『海街diary』 で、同じような親を亡くした女子高生の役を演じています。
どんなに役になりきっても、未咲と鮎美ではなく、広瀬すずに見えてしまいます。一方、『チィファの手紙』では、チャン・ツィフォンではなく、チィファやサーランその人に見えてくるから不思議です。
知らない俳優さんが演じている方が、配役に感情移入出来るのかも知れませんね。
==「映画」バックナンバー =
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Film1~190 省略
Film191 2020/8/25 『海街diary』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7b8dc81044ecbe3662e1bbfe2e6c44bb
Film192 2020/8/29 『TAXI NY』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/616b0ac53c47ef54b3f736b3bf58636d
Film193 2020/9/2 『コンフィデンスマンJP ロマンス編』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a8cc3cb1c692eb2e3b9e3723e5ceff09
Film194 2020/9/6 『丹下左膳 百万両の壺』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/818aa36c7c3ddd1a5a14ee202444b041
Film195 2020/9/9 『ハドソン川の奇跡』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/db3e0cf65676ba73bd806f07850a5ea5
Film196 2020/9/13 『グリーンマイル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/876a4508199a8cf4d0832c063b02d670
Film197 2020/9/15 『チィファの手紙』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a2928d17c0dab4ca2d5b48fdd62f7bf8
Film198 2020/9/19 『夕陽のガンマン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f1448b241b34eb39c42b9f97bdd98095
Film199 2020/9/23 『助太刀屋助六』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/aedb38fd6db9e282b364c163bd5dcfc5
番外編 2020/9/27 『訃報:竹内結子さん』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/05c749f8671fc7fb48c90ad928072528
Film200 2020/10/1 『マッドマックス』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e6870d95eef84dd873c6a5e7b354e3c1
Film201 2020/10/7 『遥かなる大地へ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9a954d71a3a890ce823b5da663e66204
Film202 2020/10/21『沈黙 -サイレンス-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e93199062e948a5cc81dc9576d40d5e
Film203 2020/11/16『ラッキー・ナンバー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7408388a7daaaf3ef3c833dad081e918
Film204 2020/11/21『北京ヴァイオリン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5506c1d49af6fb922539904348727e7e
Film205 2020/11/25『デイズ・オブ・サンダー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0a8f8ac94f345cd50b3fb5c5faa68935