隊長が、観賞した「テレビ番組」を紹介するシリーズの第639回は、『2025年冬の連ドラ総括』をお送りします。
3月も残り今日一日を残すだけとなりました。民放各局の1月から始まった連続TVドラマ(連ドラ)も、殆どが既に終了しています。
その “冬の連ドラ” の中で、隊長が観たのは、七作品です。前期が五本でしたので、今期は注目する作品が多かったからでしょう。
そこで、改めて各作品のミツボシ ☆☆☆ 評価を、述べたいと思います。
☆☆☆ 作品が、『御上(みかみ)先生』 。
七作品の中では、一番の評価です。
本ドラマは、一時期、一世を風靡した “熱血学園ドラマ”とは異なり、松坂桃李さん演じる御上先生は、クールで理知的ながら心には、改革への熱い思いを持った教師の学園ドラマであると共に、権力争いや官僚の腐敗を暴く社会派ドラマでもあります。また、不倫問題の背後にある本当の闇を暴く、ミステリードラマの要素もありと、面白いドラマの要素がテンコ盛りです。
それだけでなく、御上先生が生徒の前で示す姿勢に影響された生徒たちが、お互いの友情が深まり、自ら考え成長していく姿を描いた、青春群像劇でもありました。
同じく ☆☆☆ 評価ながら、ベストツーだったのが、『クジャクのダンス、誰が見た?』
本作品は、最愛の父を殺された主人公の心麦(こむぎ)が、事件の真相を追う弁護士とバディを組み、真実を解き明かそうとする姿を描いたミステリードラマです。
とにかく、心麦(こむぎ)を演じた広瀬すずさんの好演が、光っていました。
ただ、謎解きとしては、強引なところがあったことと、殺人の容疑で牢屋に囚われていた親子は冤罪が晴れ釈放されたましたが、真相が分かったものの、自分の大切な人たちを全て失ってしまった心麦には、何の救いもなかったこと。
この二点が、一番の評価をした『御上先生』 との差となりました。
☆☆半 は、『まどか26歳、研修医やってます!』
本作品は、三大連続ドラマ定番ジャンルと言われている「医療系」です。「医療系」なので、もちろん病院医療現場での様々な場面が登場しますが、新米研修医が同期の仲間たちと励まし合い、医師として成長していく姿を描いた、青春群像劇でもあります。
主演の芳根京子さん、コミカルな演技と患者を思いやる温かい姿を、見事に演じ分けていて、これからも幅広い役柄で、主役に起用されるでしょうね。
同じく☆☆半 が、 『119エマージェンシーコール』
今日・31日が最終回なので、全部を観終わった訳ではありません。それでも、☆☆☆ までは行きませんが、秀逸なドラマとして評価します。
台湾ドラマで、火災現場で苦闘する消防士の姿を描いた作品 は、観たことがあります。
一方、ドラマの題材として取り上げられてこなかった、119番緊急通報に応答し、適切に救急車、消防車の出動を指令する指令管制員の世界にスポットを光当てたのは、社会的に意義があったと思います。
フジテレビの中居正広氏の女性トラブルに端を発した、同局のガバナンス欠如による騒動で、放送がスタートしてから、横浜市及び横浜市消防局協力のクレジットが、エンドロールから削除されるなど、ドラマの内容以外のところで、注目されましたが、スタッフ・キャストはめげずに、クランクアップを迎えましたね。
その点も、☆☆半評価のポイントになりました。
☆☆ は、 『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』
本作品は、カメラアイ(瞬間記憶能力)を持つ女性刑事が、忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、癖のある刑事達とともに事件解決に奮闘していく刑事ドラマですが、主人公の瞬間記憶能力を使用するシーンを、あたかも超能力者の様に表現する演出に違和感を覚えました。
また、ストーリーが、昭和の刑事ドラマを観ている様で、新鮮味を感じなかったことも、☆☆ 評価の理由です。
☆半 は;
『日本一の最低男』
好感度の高い香取慎吾さんを主人公に据えながら、ドラマの終盤まで “腹黒さ” を強調し続けて、面白さを感じませんでした。タイトルから、故・植木等さんが演じた “ダメ男” ながら底抜けに明るいキャラクターを香取慎吾さんに、期待していただけに、☆半 の評価となりました。
同じく☆半 が、『プライベートバンカー』
完全オリジナル作品の脚本なのですが、まるで漫画原作の実写版を観ているかの様な、安易なストーリー展開だったので、☆半評価としました。
総括:七作品を放送局別に分けると、TBS系列は、『御上先生』、『クジャクのダンス、誰が見た?』、『まどか26歳、研修医やってます!』 の三本でした。三作品とも、☆☆半 以上で、まさに「ドラマのTBS」の真価が発揮されましたね。
フジテレビ系列も、『119エマージェンシーコール』、『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』、『日本一の最低男』の三本でした。こちらは、TBSとは真逆の☆☆半が一作品で、あとは☆☆ 以下でした。やはり、収録途中に明らかになった、同局のガバナンス欠如による騒動が、影響したのでしょうか。
テレビ朝日は、『プライベートバンカー』の一本でした。日本テレビ系列が、一作品もなかったのが、意外です。
三大連続ドラマ定番ジャンルと言われている「医療系」は、『まどか26歳、研修医やってます!』。「警察・探偵系」が、『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』。最後の「法廷・弁護士系(リーガル・エンターテインメント)」は、隊長が観た七作品の中にはありませんでした。
『クジャクのダンス、誰が見た?』は、警察・警官が登場しますし、弁護士・検事も登場しますが、それはミステリー作品の舞台としての扱いで、純粋な「警察・探偵系」、「法廷・弁護士系」とは言えないでしょう。
4月から始まる “春の連ドラ” 、どんな作品が登場するか、今から待ち遠しいです。
尚、『2024年秋の連ドラ総括』 は、こちらをご覧ください こちらをご覧ください 。
==「テレビ番組」 バックナンバー 一覧 ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/17de26ad35859fd865f52645aba1b27d
Vol.1 ~ 625 省略
Vol.626 2025/1/10 『ドラマ「スロウトレイン」』
Vol.627 2025/1/18 『アナザースカイ「2024年2月~3月放送ピックアップ」』
Vol.628 2025/1/24 『カンブリア宮殿 「2024年8月~12月放送ピックアップ」』
Vol.629 2025/1/30 『ドラマ「坂の上の雲」』
Vol.630 2025/2/4 『ドラマ「私たちの東京ストーリー」』
Vol.631 2025/2/8 『ドラマ「週末旅の極意2」』
Vol.632 2025/2/12 『ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」』
Vol.633 2025/2/17 『ドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」』
Vol.634 2025/2/24 『ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」』
Vol.635 2025/2/28 『ドラマ「119エマージェンシーコール」』
Vol.636 2025/3/9 『ドラマ「御上先生」』
Vol.637 2025/3/13 『A-Studio+ 「2024年11月~25年2月放送ピックアップ」』
Vol.638 2025/3/28 『14年続いた「サラメシ」が終了』