忘却への扉

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煙を見て

2016-05-12 | 追憶

 山から帰宅途中、道路の傍らに駐車中のナンバープレートに、90歳を過ぎた叔母の暮らしている他県の市名を見た。昼食後も同じ場所に同じ車、もしかしてあの家?振り向くと空き家のはずの屋根の向こうに煙が見える。歩いて石段を上がり行ってみた。
 雑草が生え放題の広い庭の、一部草刈りをしてある部分でたき火をしているのは男女2人、どうやらご夫婦だと予想し挨拶してわが家の場所を言い名乗った。「初めまして」といってよい関係、10歳以上私が上で家も離れていては、彼を見ても記憶にないのは当然。
 年に1~2回掃除や墓参りに戻って来るとのこと。江戸時代は安政に建てられた屋敷は、昔、村の庄屋の下の位の先祖。村の小作人などが持ってきた年貢を受け取る場所や土間など、家はほとんど当時のまま。
 「雨漏りの個所が増えても、修理をしようとしても屋根が抜け落ちそうで上がるのは危険になった」。家全体を改修保存するには新築以上の費用が掛かり、どうやらもう限界。
 年齢の離れた彼のお父さんとは親しくさせてもらった。真面目な話もするが、時には軽く頭を叩かれるきわどい冗談もOK。その話もせずにはいられなかった。彼らに会えて遠い日の懐かしさがよみがえる。


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