忘却への扉

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変わり様

2007-02-20 | 追憶
 そこを通る必要など無かった。何となく商店街を歩いてみたくなっただけ。過去の賑わいの名残のアーケードの有るのは、Tの字になる二つの商店街。
 青春時代は月に何度も来た場所だ。昼夜いくら歩いても平気だった。一年間の休みがあった後から、行く回数が減る。そして仕事意外に行くことはなくなった。
 行動の手段と範囲も変化した。歩くことを止めていた間に、過去によく出かけていた店は全て閉店している。
 特に一方の歩行者専用道の商店街は、よく来ていただけに龍宮城から帰った浦島太郎の心境にも近くなる。
 想い出を辿るために歩いているのに、無くなったものが多すぎる。そうなっているのは知っている。でも自分で確認したくて側にまで行く。
 月に一度の特別販売の日だ。人通りはあるが、買う側よりは売り手の人数が多く見える。だが普段だったら淋しくなっただろう。
 よい日に歩いたのだ。次の予定が買い物の品を持って入れる場所ではなかった。でも知り合いの店で、少し話をして目立たない品を買った。

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