忘却への扉

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後で後悔することがないよう

2016-08-29 | 平和を

 【 平和71年継続も今は胸騒ぎ 】 今治市 女性( 82・主婦 )

 ◇私が小学5年生の時の夏休みの宿題は、兵隊さんの薬になるというゲンノショウコを採って乾燥させることだった。その日も乾燥したものを取り込もうとしていると、裏の雑木林で父が呼ぶ。行ってみるとあたり一面にレースのようなカラスウリの花が咲いている。驚いている私に父が言った。「もうゲンノショウコは集めなくていい。戦争は終わった」。昭和20年8月15日は、そんな日であった。
 ◇それからは下校途中に機銃掃射を受ける危険も、灯火管制で薄暗い明かりの下で本を読むことも、また、戦争に反対する親類が憲兵に追われることもなくなり、平和な71年が続いている。
 ◇ところが今、安全保障関連法や改憲論争などに胸騒ぎがする。国民を犠牲にして莫大(ばくだい)な国費を投じても武力で平和は望めないのに、戦争を知らない政治家たちは「抑止」のためと言う。戦時に少女だった私は参院選にかけた。子どもやおい、めいに戦争の無意味さを説いたが、今一つ危機感がないようだった。結果、戦中派の熱い思いは届かなかった。英国の欧州連合(EU)離脱と重なる。後で後悔することがないよう祈りたい。]
                    《 こだま 読者の広場 【 終戦記念日に思う 】 》 地方紙「投稿欄」より

 ( 忘却への扉 ) 山で採ったゲンノショウコをわが家でも乾燥させるため軒先に吊るしてあった。下剤や胃薬として煎じて飲んでいた。戦争に必要だと山に採りに行っていた話は知人からよく聞いた。
 秘密法に共謀罪で戦争反対や平和を口にすれば、犯罪者として罰せられる世の中になろうとしているのに、自分たちが戦争で殺し殺される日本になる歯止めを、参院選である部分の若者たちの無関心で自ら放棄した。
 安全保障条約という米国主導の軍事条約の美語、世界的にも巨大化した自衛隊という実質軍隊の増強、国民の洗脳は70年前から積み上げられてきたのだ。
 政府は学校教育も規制し、知る権利を奪い、政府権力側に不都合な事実にふたをする。そして極右政権の思うがままになる国民を自由に縛る憲法に改正する。
 戦争を知ろうとしない若者たちが多い不思議な社会も、もはや権力者に操られているからか。ゲームではなく実戦で、今日も世界各地で流血と破壊が繰り返される戦争=テロは現実に行われている。知ろうとすれば映像などで今が見える。逃げないで確認し、都合よく権力者や軍需産業の操り人形にされ、使い捨てにされない人間となって生きてほしい。