まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

殿様商売

2023-11-07 | 暮らし
この地域は城下町だったせいか、時折、殿様商売と言われる状況に遭うことがある。
気の弱いわたしは、喧嘩もしたくないのですごすご帰るのである。
先日、夏の麻のジャケットをクリーニング店に持って行った。
その時、職場で行事に使った大きなテーブルクロスを出して半月過ぎたので、電話連絡が入ると言われているけど、そろそろ出来ているかと、ついでなので聞いたら、
「電話しますって言ったのなら、電話を待ってください」と、ぴしゃりと言われた。
「特殊なので、お時間かかりすみません」と、わたしなら言うだろう。
「いえいえ、ついでと思って聞いてみただけです。ごめんなさい」と、答えるだろう。
しかし、強く言われたら答えようがなかった。

そして、出したジャケットを見て
「麻ですね、少しお値段がかかりますけど」
「はい」
「網目になったところが、洗って引っかかるかもしれません」
いや、ひっかけてもらったら困るのである。
「??」
「別洗いで袋に入れて洗うので、倍の値段がかかりますけど」
けど‥あなたは支払えるのか?と、言いたいのか。
一体、いくらになるのだ?
夏物をしまう前にシャキッと仕上げたかった。
前の店員さんは、明るくて愛想のいい人だったなあと思いながら。
ひっかかるかもしれません。という言葉にひっかかった。
多分、洗いにくいから、洗いたくないのだろうが店員が洗うわけではない。
もしや、こういうのを引き受けると現場に叱られるのか?
製造会社にいた私は思った。
「じゃあ、やめときます」と、言って持ち帰った。

持ち帰って、手洗いしながら
「ひっかかるといけないので、袋に入れて大切に洗わせていただきますので、少しお値段がかかりますが、よろしいでしょうか?」
と、言われたら「お願いします」と、言って置いてきただろう。

忙しさにかまけてクリーニングに出そうとしたが、手間はかかったが自分で洗えて、その後、蒸気アイロンして、いい感じになった。
商売人でない店員のおかげで節約できたのである。