世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【米明言:尖閣は安保適用範囲】集団的自衛権行使:対日テロ誘発の懸念⑥

2014-06-09 00:04:24 | 日本

(前回からの続き)

 2013年1月、アフリカ・アルジェリアの天然ガスプラントを反政府武装勢力が襲撃し、そこで働いていた外国人を含む多くの人々を人質に取る事件がありました。アルジェリアは強硬策を選択し、特殊部隊による武力で制圧しましたが、結局8か国37名が犠牲になったとのこと。そしてそのうちの10名が日本人でした。

 彼らはみな、プラント事業を通じてアルジェリアの発展に貢献してきた方々。そして、前回書いたとおり、本来ならば現地でも同情と尊敬を集めるべき真摯で誠実な日本人であり、武装勢力が敵視するような国民ではなり得なかったはず。にもかかわらず・・・。

 卑劣なテロ行為に憤りを覚えつつ、一方で今後は、つまり「集団的自衛権行使」宣言後は、こうした一般の日本人を対象としたテロが国内外で増えるのではないか、と心配しています。なぜならそれは、アジアやアフリカなどの国々を拠点とするテロリストグループに対して「日本はアメリカと一緒になって武力攻撃を仕掛ける用意がある」と宣戦布告するようなものだから。当然、彼らにしてみれば「日本は倒すべき敵だ!」ということになってしまいます。

 以上、長々と綴ってきたように、わが国は集団的自衛権の行使を容認しても、安倍政権が仮想敵国とみなす(?)中国に対する安全保障の強化にはならないうえ、現実的には日本から遠く離れた小国やテロ集団などとの戦争とかテロに巻き込まれ、人命も国益も損耗していくとともに、お互いに対する尊敬とか友愛の思いを失い、憎しみを募らせていくだけ―――つまり、メリットはほぼゼロで、デメリット&リスクは無限大となるだけだと思っています(もっとも、いま欧米軍事企業の株を買っておくとトクするかも!? 安倍政権の同容認後はこれらの株価は上昇必至(?)だから。まあ良心を○○に売り渡すことができるならば!ですが・・・)。

 わたしたちはもっと冷静に国際情勢を見極めて上手に立ち回る必要があると感じています。

 で、何といっても肝心の対中安保ですが・・・アメリカのオバマ大統領は4月の来日時、歴代の米大統領としてははじめて尖閣諸島日米安保の適用領域に含める、と明言しました。さまざまな意味でこの「尖閣カード」の代償はデカいと推測されるとはいえ、これは日本外交上の大きな成果だと考えています。尖閣をめぐってはこれからもいろいろありそうですが、少なくともこれで自衛隊と中国軍が東シナ海で派手にぶつかり合うリスクは大きく減ったと思っています(甘いかな・・・?)。なぜならば、中国との武力衝突を絶対に回避したいアメリカが日本のカタを持ってくれたことになるからです。ということで、対中戦略に限れば、わが国はもはや集団的自衛権の行使を宣言する必要はなくなった・・・!?

 「中国に対する脅威に対抗する」という大義名分がなくなれば、同宣言には上記のようなリスクしか残りません。したがって米大統領の上記表明後は、同宣言どころか集団的自衛権の憲法解釈を論じることすら、ほとんど意味のないことになったと感じています。

(続く)


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【戦争参加は国益にならない】集団的自衛権行使:対日テロ誘発の懸念⑤

2014-06-07 00:02:43 | 日本

(前回からの続き)

 わが国が集団的自衛権の行使を容認した場合は、同盟国アメリカの戦争に付き合うことになるわけですが、前回書いたようにその相手は・・・日本、とりわけ安倍政権が仮想敵国とみなしている(?)中国などではなく、アジア、アフリカなどの小国やそこを拠点としている「テロリスト集団」になる可能性が高いと思っています。

 では、地理的にも遠く、はっきりいってわが国の安全保障の直接の脅威にはならないようなこうした国とかグループと戦争することに日本にどんな国益上のメリットがあるのか? 個人的には以下に記すようにメリットはほぼゼロ、そしてデメリット&リスクは無限大だと思います。

 まあたしかにアメリカ様に喜んでいただけるという面はあるかと思います。日本の参戦によって戦争規模が拡大すればアメリカにとって、正確にはアメリカの軍事産業にとっては米連邦政府に加えて日本からの武器等の受注が増えて潤う、そしてこれらの企業の株主も潤う、などといった恩恵があるということです。もちろんそれは戦争で儲けるという、神をも恐れぬ罪深き行為・・・。

 しかし日本にとっては・・・まずは国民の防衛費にかかる負担の増加は避けられないでしょう。集団的自衛権行使の宣言後は世界各地の戦場に自衛隊が出ていかなくてはならなくなることから、兵器や武器をさらに購入等する必要が生じるとともに、戦争にともなうさまざまなコストが膨らむ懸念が高まります。それら戦費を賄うためにも安倍政権は消費増税をさらに強化しようというのでしょうね・・・。

 そして、おカネの負担増よりももっと恐ろしいのは人的被害アメリカの敵対国との戦闘に加わる日本の自衛隊の将兵のなかには少なからぬ死傷者が出るでしょう。当然ですが自衛隊もまた敵国の多くの人々を殺傷することになります。そして双方の戦いに多くの一般市民が巻き込まれて犠牲となることでしょう。

 そんな惨状のなか、遠い異国の人たちは、祖国を舞台に戦争行為を繰り広げるアメリカ、そしてその忠実な僕(しもべ)であるわが国を憎悪するようになります。アメリカはともかく、彼の地の人々は少なくとも日本に対してはこれまで悪い感情はもっていないはず。それどころか日本は同情と尊敬の対象だったかもしれない―――日本はアメリカに原爆を落とされた国、敗戦の廃墟から奇跡の復興を遂げた国、そして人々がみな礼儀正しく親切な国・・・。そんなイメージは雲散霧消し、日本はアメリカとともに人々の憎しみと攻撃の対象になってしまう・・・。

 とはいえ、アメリカおよび日本の敵となるであろう国や勢力には、米軍とか自衛隊とマトモに戦って勝てる軍隊はありません。「このままでは米日両軍に蹂躙される一方かもしれない」とつのる恐怖のなか、窮地に追い詰められた彼ら彼女らは最終的に対日テロリズムに走る―――具体的には自衛隊宿舎への自爆攻撃とか自衛隊員の誘拐、はては日本人の一般市民を対象とした無差別テロなどといったところ。これらはいずれも卑劣な行為に間違いありません。だからといってこの場合、日本は「彼らは卑怯だ!」と堂々といえるのか・・・。

 ―――「結局、こうなってしまうだろう」と予想しています。だから集団的自衛権の行使を認めることは日本の国益にならない―――そう思っています。

(続く)


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【米国の戦争相手:小国・小集団】集団的自衛権行使:対日テロ誘発の懸念④

2014-06-05 00:03:05 | 日本

(前回からの続き)

 ご存じのとおり、世界最大の軍事大国であるアメリカでは、軍事産業が自国が遂行する戦争によって巨大な利益を上げています。早い話が彼らにとって戦争こそはメシのタネ、ということです。

 ところが先日、オバマ大統領はアフガニスタンに派遣している米軍を2016年末までに全面撤退させると明言しました。これはマズい・・・厳しい財政運営のなか、ただでさえ国防費は先細りの可能性があるのに、米政府にアフガニスタン戦争を止められてしまったら国防予算のいっそうの削減、そして兵器・武器の受注減少は必至、ということで彼ら軍事産業の危機感は高まっているところ・・・。

 そんななか、同盟国・日本の安倍政権が集団的自衛権行使を容認し、アメリカと一緒になって戦争します!と世界に向けて勇ましく(!)宣言したら・・・これはアメリカの軍事産業にとっては大歓迎でしょう。アメリカの戦争をダシに日本を同じ戦争に誘い込み、あれやこれやと口実を設けてジャパンマネーをゲットするチャンスが出てくるからです。なにせ日本はお人よしのお金持ちですから・・・。

 もっとも先述のとおり、中国、ロシアなど、日本が「その脅威からアメリカに守ってもらいたい!」と想定する国々とはアメリカはけっして戦争しようとはしないでしょう。そして中国もロシアも、いまアメリカと武力衝突して得られるメリットなんてないし、アメリカもまた自国と戦いたくないことはよく分かっているはず。ということでアメリカ(プラス日本?) vs. 中国、などといった、大国同士の戦争の図式は現実化しそうにない・・・。

 となると今後、アメリカが実際に戦争する相手は中国などよりもずっと小さい国々や勢力となりそう具体的にはアフガニスタンのようなアジアやアフリカなどにある小国、あるいはそれらの諸国を拠点としている「テロリスト集団」といったことになりそうです。これらとの戦いであれば戦力面でアメリカが負けるわけがないし、財政負担も対中戦争よりもずっと小さいし(それでも大きいことには変わりないけれど)、アメリカ軍の人的被害も抑制することができるから。

 とはいえ、アメリカがこうした国々やグループと戦端を開くには大義名分が求められます。真珠湾(太平洋戦争)、トンキン湾(ベトナム戦争)、そして同時多発テロ(アフガニスタン戦争)などの多数の事例で分かるように、アメリカが戦争を始めるに当たっては「卑劣なことに相手が戦争をふっかけてきたから」という理屈が必要になるということです。なにせアメリカは「正義の国」を自認しています。そんな立派な国が自分のほうから先に殴りかかるわけにはいきませんから。ですが・・・小国、そして小さなグループであれば、戦う口実はいくらでも・・・そう思いたくはないけれど・・・。

 ということで、集団的自衛権行使を宣言してしまったら、わが国はこうした戦争に巻き込まれる―――アジアやアフリカなどの反米的な国々や勢力との戦争にアメリカによって無理矢理引っ張り出される―――だろうと予想しています(繰り返しますが、同行使宣言は、アメリカに中国と戦争する気がない以上、対中安保の強化にはつながらない)。

 そしてこれは日本の国益を危険にさらすリスクがきわめて高い事態だと考えています。

(続く)


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【一般米国人:戦争はウンザリ】集団的自衛権行使:対日テロ誘発の懸念③

2014-06-03 00:03:42 | 日本

(前回からの続き)

 もし日本が集団的自衛権を行使する国となった場合は、同盟国アメリカとともに武器を取って戦うこととなる。ではアメリカは今後、どんな国と戦争することになるのか(=日本の戦争相手はどこの国になるのか)についての個人的な想定を綴っています。で、前回は、中国こそアメリカがいちばん戦争したいと思わない国、と書きました。

 その他、ウクライナ情勢との関連で西側諸国との関係が悪化しているロシアとも、現実的にはアメリカは戦争できないでしょう。ロシアは旧ソ連と比べれば力は落ちたとはいえ、実質的にはいまでもアメリカに次ぐ軍事大国。いくらウクライナなどから紛争への介入等を求められても、そんな国と直接、武力衝突することはリスクが大きすぎます。

 北朝鮮はどうでしょうか。これまた微妙だと思います。最近は関係がギクシャクしているとはいえ、バックには引き続き中国がいるためです。安倍首相が以前、国会で集団的自衛権行使の具体的な想定局面を問われたとき、北朝鮮がアメリカに向けて発射したミサイルの迎撃、なんて回答をしていますが、体制崩壊のとき(!?)以外、かの国がそんなヤケッパチなことをする確率は極めて低いだろうし・・・(それにこの場合、ミサイルの飛ぶ方向は北朝鮮から見て「西」では!?)。

 「アメリカは世界の警察官ではない」―――近ごろアメリカ・オバマ大統領はよくこういいます。本音だと思います。もはやアメリカは世界各地で戦争遂行が可能なだけの軍事力を保持する力を持っていない、つまり大多数のアメリカ国民は経済・社会的に疲弊していて、それに必要なコスト負担に耐えられない、ということなのでしょう。

 「もう戦争にはウンザリだ」―――それはアフガニスタン戦争に関するアメリカの人々の意識にも表れています。2013年9月の世論調査(ABCとワシントンポストが実施)では「戦うに値しない」との回答が56%と「戦うに値する」の39%を大きく上回る結果となっています。たしかこの戦争、2001年3月11日の同時多発テロの報復を大義として圧倒的多数の国民の支持を得て始められたはずですが・・・。

 ということで、中国、ロシア、そして北朝鮮・・・わが国の安全保障に対する脅威となり得る(?)国々とはアメリカはじつは戦争をしたくない、そして肝心のアメリカ国民のあいだでは厭戦気分が広がっている・・・。そんななかで日本が「アメリカさん、一緒に戦おう!」とばかりに集団的自衛権行使を宣言したところで、1セントも戦費を出したくない一般のアメリカ人の反応は「いまになって、何でまた・・・」といった冷めたものになるだろうな、という気がしています。

 しかし一方で・・・これを大いに歓迎する勢力がアメリカにいるのもまた事実!?

(続く)


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【米国が一番戦争したくない国=中国】集団的自衛権行使:対日テロ誘発の懸念②

2014-06-01 00:01:08 | 日本

(前回からの続き)

 集団的自衛権」は、誰がどう読んでも、武力行使の放棄とか国の交戦権の否認などといった憲法の規定に反するから、それを行使できるようにするには憲法を改正しなければならない、といったようなことを前回書きました。したがって、憲法改正を経ずして集団的自衛権行使の可否等を国会で議論すること自体、意味のないことだ、と思っています。にもかかわらず・・・。

 では、憲法解釈論はべつにして、かりに安倍首相の願いがかない、わが国が集団的自衛権を行使する国となったらどうなるか、そしてそれが本当に国益となるのか、ですが、以下に記すように個人的にはメリットはない、それどころか表題のようなリスクを増大させることになりかねない、との懸念を持っています。

 日本が集団的自衛権を行使するのは、当然ですが同盟国のアメリカが武力攻撃を受けた場合となるでしょう。で、問題は、アメリカがどこの国によって攻撃されるのか、そしてもっと重要なのは、アメリカがその攻撃を大義名分に戦いを挑む相手がどの国になるのか、を想定することですが・・・。

 まずはいちばん想定しえない国から・・・。それは「中国」だと思っています。アメリカは世界のどこよりも中国とは武力衝突をしたくないはず。本ブログで何度か書いているように、アメリカはいまやおカネもモノも中国にどっぷりと依存しているからです。アメリカの覇権を支えるドルの信認は中国が米国債を買い支えているからこそ保たれている面があるわけだし、自国のモノ作りが衰退の一途をたどるなか、アメリカの実体経済や市民生活は中国製品がなければ成り立ちません。その象徴が9割近くがメイド・イン・チャイナとなっている「星条旗」・・・。

 尖閣諸島の領有権をめぐって東シナ海では日中両国のにらみ合いが続いていますが、アメリカにとっては何とも複雑なところでしょう。FRBを除く米国債保有ランキングでそれぞれ1位、2位である中国と日本の関係が良好ではない状態はアメリカにとってけっして悪いことではありません日中両国が「ほどほど」に対立しているかぎりは、米国債をめぐる双方の利害が必ずしも一致しないため、両国がタッグを組んでアメリカの命運を握る金融政策にプレッシャーをかけてくるおそれが少ないためです。

 しかし・・・その日中両国の対立が一線を越え、武力紛争に発展してしまったら、アメリカ経済はこちらの記事に書いたような危機的な事態に陥りかねません。したがって、そのときアメリカは、日本と一緒に中国と戦うどころか中国との戦争を一方的に避け、同盟国・日本の頭ごなしに中国政府と何らかの手打ちに動くだろう(わが国はハシゴをはずされる・・・)―――そう予想しています。なぜなら、米中両国の互いを必要とする度合いは日米、日中の比ではないからです。

 安倍首相周辺には「集団的自衛権行使を容認してアメリカとともに戦争します!」といったメッセージを送ることでアメリカの歓心を買い、わが国の対中安全保障を強化したいというねらいがあるのでしょうが、上記のような理由から、それはまったくの見込み違いだと思っています。

(続く)


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