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「親中離米」から「反中従米」へ:米中に翻弄された民主党政権③

2012-12-07 00:05:00 | 日本

(前回からの続き)

 といった具合で、現在の政権党である民主党は、TPP参加にどの政党よりも先行しているという印象があります。さらに党のマニフェストに「TPP推進は政府が判断する」と明記しました。さらっとした書きぶりですが、これはとても重大です。つまり「TPP推進に関する政府(要するに官僚様)の判断への国会(つまり国民)の何らかの議決等による干渉等は認めない!」ということ。まさに「市民が主役の民主党」という党是を自ら否定してでもTPPを進めようという民主党の悲壮(?)な覚悟が感じられます

 このあたりは、他の政党との主張の違いを明確にしようという選挙対策的な思惑とは別に、先日こちらに記したように、2010年の尖閣事件に加え、この9月に強行した尖閣諸島国有化により、結果として民主党政権が日米安保への依存度を高めたことの代償としての面があるのかもしれないと推測しています。尖閣領有権をめぐって中国との対立を激化させたわが国と民主党政権は、中国の脅威から身を守るため、多少の(?)不利益には目をつぶってでもアメリカにすがりつかざるを得ない状況に追い詰められてしまった、ということです。そしてその結果、アメリカには対日戦略としての「尖閣カード」を献上してしまいました・・・。

 とまあ、またもやうがった見方をしてしまいました・・・。私は個人的に、いまこの瞬間、中国軍が尖閣諸島を占拠等しないのは、先日アメリカの議会上院が「尖閣諸島は日米安保条約の適用対象」であることを全会一致で確認したように、アメリカが尖閣諸島を日本領であると明確に表明してくれているためと感じています。そして中国が尖閣諸島の領有権をめぐって理不尽で露骨な挑発を繰り返すなかで、日米安保に何らかのコスト等がかかるのは仕方がない面があるとも思っています。

 それでも、わが国からみた日米安保のコストなり代償が、具体的には上記の為替介入の結果として発生する(現時点で数十兆円ともいわれる)外貨準備の為替差損であり、TPP参加にともなって被ることになる何らかの不利益などである、ということを国民は認識しておいていいと思います。そしてそのコスト等が相当な額に上るということも・・・。

 もっとも、これらのコスト等がどの程度までなら日本の安保費用として許容できるのか、については議論が分かれるところだと思います。それこそ国民一人ひとりによって違ってくるでしょう。ただし、本稿冒頭に書いたように、それまでの(当初はアメリカ抜きだった)「東アジア共同体構想」に見られた中国重視の姿勢から、2010年の尖閣事件を機に、むしろ以前の自民党政権以上に「反中国・対米従属」を旗幟鮮明にした民主党政権の外交スタンスの変化によって、このコスト等が跳ね上がってしまったのは確かだろうと思っています。

 それにしても親中離米」から「反中従米」へ、180度といってもいいくらいの極端な変わりようですね。当初は党の主要施策には無かったはずの消費増税の決定、「政治(=市民)主導」から「官僚依存」への脱却(?)、そのほかマニフェストの内容を含めた多くの重要な政策方針をコロコロ変えてきたことで批判を浴びている民主党ですが、良し悪しの判断は別にしても、この外交方針の転換はその際たるもののひとつでしょう。衆議院選挙を前にして結党以来の党員の多くが民主党を離党していますが、こんなところにも理由の一端があるのかもしれないな、と思っています。

(続く)


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