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【トランプ氏、米2大勢力(金融&軍産)を敵に回す】「トランプ叩き」が示唆する米経済の混迷ぶり④

2016-10-21 00:00:42 | アメリカ

前回からの続き)

 本ブログのあちこちで書いているとおり、そして本稿でこれまで綴ってきたような事情から、アメリカ経済はもはやあらゆる資産の価額を永続的に押し上げていく以外にありません。そのための手段はいうまでもなく「量的緩和策」(QE)という名のFRBによる超低金利マネーのバラマキです。これ、いまでこそ停止されていますが、FRBとしては株、債券、不動産のどれかひとつの価額が大きく下がるようなリスクオフな事態が世界のどこかで起こったら、すぐにでも再開したいはずです。

 で、その際に絶対に口に出してはいけないワードが、「バブルです。なぜなら、バブル・・・とポツリ呟いたとたんにFRBは、その生成の原動力であるQEを再発動する大義名分を失ってしまうから。これでは、ダメ! QEが命綱(というか「麻薬」)である以上、FRBはそれを何度でも実行できるよう、いまも、そしてこれからも(永遠に?)「米経済はバブルにあらず」と念仏のように唱え続けなければなりません(?)。

 そんなときに米大統領候補の共和党ドナルド・トランプ氏はKYにも(ではなく、正直にも?)、この全米的な放送禁止用語(?)「バ〇〇」を連発するわけです。しかもあまりに危険な水準までソレを膨らませた!とFRB、そして結果としてFRBのQEに理解を示してきたオバマ民主党政権を激しく批判します。さらに巨大銀行がリスキーな投資に手を出せないように「グラス・スティーガル法」の復活まで主張し始めた・・・。これでは「ヤバイだろ、ヤツに『真実』(つまり、米経済がバブルであること)を放言させ続けては・・・」とバブル最大の受益者である銀行業界や、そこからたんまり献金をもらってきた(?)米民主党関係者らがトランプ氏を敵視するのはもっともです・・・(?)

 金融界、民主党に加え、アメリカにはトランプ氏を危険人物とみなす既得権益集団がもうひとつ、あります。それが「軍産複合体」。こちらの記事に書いたとおりです。アメリカの2015年の軍事予算額は約5960億ドルと、日本(約470億ドル)の12倍以上!同年のアメリカのGDPは日本の約4.3倍ですから、アメリカの軍事セクターがいかに巨大な財政支出を享受しているかが推測できるというものです。

 そうしたなかでトランプ氏は、日本や韓国に対して自力で核武装しても構わない、つまり自分が大統領になったらアメリカは同盟国・地域を守る金銭的な負担を大きく減らしていく、みたいなことを平気で口にする。これは軍事費の大幅削減を意味するから、兵器武器メーカーは売り上げの大減少、米軍属者にとっては職場や権威の縮小・喪失を被ることになりかねない・・・

 こうしてトランプ氏は、いまのアメリカを牛耳る2大勢力(?)の金融界と軍産複合体、そしてリーマン・ショック直後から2016年の現在まで両者に支援されてきた民主党政権・・・ばかりか(当然ながらこれまた両者から献金を得ている?)同志のはずの共和党の一部まで、すべて敵に回してしまった感じです。もっとも彼らがトランプ氏を嫌うのは、同氏が暴言&醜聞まみれだから・・・ってコレ、あくまで表向き。本当の理由は・・・上記のとおりなのだけれど(???)、まあ言えないでしょうね、有権者が覚醒しかねないから・・・(?)

続く

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